2月にはCLバルサ戦も控えている
今シーズンのパリは、フィジカル・プレパレーションを欠いたままスタート。新型コロナウイルスの感染者も続出し、ネイマールをはじめ10人もの選手をケガで失ったまま、バカンス入りした。またエムバペら数人が、筋肉損傷寸前の「レッドゾーン」にあった。
猛烈メソッドを誇るポチェティーノが、彼らをどう本来のアスリートに戻していくのか。3日後の6日には、早くも初試合となるサンティティエンヌとのリーグ戦が待っている。
第2は、プレースタイルを植えつけることだ。
クラブがカタール支配下になって以来、これに成功したのは、4-3-3を定着させたローラン・ブランのみ。後継のウナイ・エメリは自分のスタイルに選手たちを嵌め込もうとしすぎて、2016年9月に主力が「カウンター路線はやめてほしい」と4-3-3復活を要求。さらにチャンピオンズ・リーグでバルサの大逆転を負けを喫した「ルモンタダ」により、求心力が瓦解してしまった。
トーマス・トゥヘル前監督も当初はハイインテンシティのスタイルを掲げ、エムバペやアンヘル・ディ・マリアにも厳格に対応した。だが、CLでマンチェスター・ユナイテッドに不覚をとった辺りからうまくいかなくなり、最後はスター選手の個人技頼みになってしまった。
果たしてポチェティーノは、明確なアイデンティティやプレースタイルを植えつけることができるのか。スターたちはどう反応するのか。
猛烈メソッドを誇るポチェティーノが、彼らをどう本来のアスリートに戻していくのか。3日後の6日には、早くも初試合となるサンティティエンヌとのリーグ戦が待っている。
第2は、プレースタイルを植えつけることだ。
クラブがカタール支配下になって以来、これに成功したのは、4-3-3を定着させたローラン・ブランのみ。後継のウナイ・エメリは自分のスタイルに選手たちを嵌め込もうとしすぎて、2016年9月に主力が「カウンター路線はやめてほしい」と4-3-3復活を要求。さらにチャンピオンズ・リーグでバルサの大逆転を負けを喫した「ルモンタダ」により、求心力が瓦解してしまった。
トーマス・トゥヘル前監督も当初はハイインテンシティのスタイルを掲げ、エムバペやアンヘル・ディ・マリアにも厳格に対応した。だが、CLでマンチェスター・ユナイテッドに不覚をとった辺りからうまくいかなくなり、最後はスター選手の個人技頼みになってしまった。
果たしてポチェティーノは、明確なアイデンティティやプレースタイルを植えつけることができるのか。スターたちはどう反応するのか。
第3は、選手たちのリスペクトを獲得するという課題。
フランス代表主将のユーゴ・ロリス、イングランドのスーパースターであるハリー・ケインらがこぞってリスペクトし、ポチェティーノとチームを結ぶ役割を果たしてきたのは周知のとおり。だがいまのところ監督としてのタイトル歴がないため、やや未熟でエゴばかりが強いパリでもそれができるのかどうかが問われてくる。また南米選手が多い点も、罠になり得る。南米組を直ちに掌握しつつ、スターたちを巧みにマネージメントしなければならないことになる。
そして第4に、スポーツディレクターとの信頼関係という課題だ。
トゥヘル前監督がレオナルドSDに斬られたのは明らか。だが、レオナルドが呼びたかったのはマッシミリアーノ・アレッグリだったという。つまり、ポチェティーノもトゥヘル同様、レオナルドSDの人選ではない。一方トッテナムでポチェティーノは、選手リクルーティングで一歩も譲らなかった。となればレオナルドとポチェティーノは、リクルーティングで対立する可能性もあるということになる。
ふたりが共存できるかどうかは、パリの根幹にもかかわってくるだろう。再びトゥヘル解任劇のような結末が起きれば、クラブそのものと、カタールのイメージが悪化するだけである。
こうした諸点をリストアップしながら、フランス人はいま、ポチェティーノの初指揮を興味津々で待っているところだ。2月16日には早くも最初の正念場がやってくる。CLラウンド・オブ16のバルセロナとのアウェー戦である。またしてもバルサにやられて敗退するようなら、彼の行く先は思いやられることになるだろう。
だが逆に、もしパリを初のCL優勝に導くようなら、クラブOBでもあるポチェティーノはファンに支えられ、誰よりも強くなるに違いないのだ。
取材・文●結城麻里
test by Marie YUUKI
フランス代表主将のユーゴ・ロリス、イングランドのスーパースターであるハリー・ケインらがこぞってリスペクトし、ポチェティーノとチームを結ぶ役割を果たしてきたのは周知のとおり。だがいまのところ監督としてのタイトル歴がないため、やや未熟でエゴばかりが強いパリでもそれができるのかどうかが問われてくる。また南米選手が多い点も、罠になり得る。南米組を直ちに掌握しつつ、スターたちを巧みにマネージメントしなければならないことになる。
そして第4に、スポーツディレクターとの信頼関係という課題だ。
トゥヘル前監督がレオナルドSDに斬られたのは明らか。だが、レオナルドが呼びたかったのはマッシミリアーノ・アレッグリだったという。つまり、ポチェティーノもトゥヘル同様、レオナルドSDの人選ではない。一方トッテナムでポチェティーノは、選手リクルーティングで一歩も譲らなかった。となればレオナルドとポチェティーノは、リクルーティングで対立する可能性もあるということになる。
ふたりが共存できるかどうかは、パリの根幹にもかかわってくるだろう。再びトゥヘル解任劇のような結末が起きれば、クラブそのものと、カタールのイメージが悪化するだけである。
こうした諸点をリストアップしながら、フランス人はいま、ポチェティーノの初指揮を興味津々で待っているところだ。2月16日には早くも最初の正念場がやってくる。CLラウンド・オブ16のバルセロナとのアウェー戦である。またしてもバルサにやられて敗退するようなら、彼の行く先は思いやられることになるだろう。
だが逆に、もしパリを初のCL優勝に導くようなら、クラブOBでもあるポチェティーノはファンに支えられ、誰よりも強くなるに違いないのだ。
取材・文●結城麻里
test by Marie YUUKI