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【三浦泰年の情熱地泰】僕はどんな選手だったのか? 2020年の最後にもう一度自分のことを振り返ってみる…

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2020年12月31日

外国人キラーだった現役時代。イエローカード数ランキングではあの名手に続き…

現役時代は相手のキーマンを徹底マークする役割を担った。イエローカードがリーグ2位だったシーズンも。(C) Getty Images

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 練習量と持久力に支えられた僕のポジションは、ミッドフィルダー(MF)。ボランチは自分の愛するポジションであろう。背番号は5。清水エスパルスでは5番を付けてキャプテンマークを巻いた。僕はリーダーシップをとって攻守の起点となるボランチプレーヤーであった。
 
 だが能力として必ずそのポジションが出来る選手ではなかった。僕にサイドバックの印象を持っている人もいるであろう。20歳で読売クラブに入った頃は上手い先輩ばかりでポジションがない。監督にお前はサイドバックなら代表になれる。フラメンゴのジュニオールのように……。と言われてもサブで良いから中盤で出して下さいと言っていた。
 
 それでも、試合出たさにやったサイドバックが、日本代表に招集された要因だったと思う。読売クラブ時代、サイドバックでレギュラーを取り、日本リーグベストイレブンに入った。清水エスパルスでも最初はレオン監督にサイドバックで起用されていた。
 
 Jリーグ発足した当時、僕は外国人キラーとしてエースナンバーの「10」を付ける選手をマークすることが多かった。
 
 僕は当時、ビッグネームの助っ人外国人選手を、1試合90分間、イエロー1枚を使って抑えるように言われていた。これが僕の仕事であった。
 
 Jリーグ発足、2年目か3年目。通算イエローカード数ランキングでは、1位ストイコビッチ、2位三浦泰年、3位井原正巳という時期があった。
 
 当時、僕はストイコビッチ(名古屋グランパス)、ジーコ(鹿島アントラーズ)、ビスマルク(ヴェルディ川崎)、エドゥー(横浜フリューゲルス)、名前を忘れている選手もいるが、数多くの選手をマークした。
 
 日本選手も同じであった。C大阪の社長である森島氏は現役時代に徹底マークしたし、仲の良い選手も試合になれば別問題であった。
 
 弟のカズでも手を抜くことは決してしなかった。最初の頃は年功序列、上下関係があるスポーツの世界であったが、対戦相手になったら相手に嫌われ、味方になったら誰からも好かれ、頼られる存在を目指していた。
 
 読売クラブ時代は後輩として、先輩たちにすごく可愛がってもらった。ラモスさん、加藤久さん、松木さん、戸塚哲也さん、都並さん……数えきれない大先輩たちからたくさん学び、そんな先輩たちにも負けたくないという気持ちでプレーしたのが僕という選手だ。
 
 ドリブルもシュートもパスも守備も、抜群に飛び抜けてはいないが「アイツ使えるよな!」と思われる闘える選手だったと思う。
 
 生まれた時に親父がサッカーショップを作り、叔父さんがサッカーを教えてくれて、親父の同級生が監督である静岡学園からブラジルサッカー留学。日本に戻り、読売クラブで6年プレーしてJリーグ元年に地元静岡で発足された清水エスパルスに、初代キャプテンとして戻った。
 
 その後にヴェルディ川崎、アビスパ福岡、ヴィッセル神戸でプレーして2003年に引退。そして2011年にJ2ギラヴァンツ北九州で監督としてのファーストキャリアをスタート。
 
 さらに東京ヴェルディ、タイのチェンマイFC、J3の富山、鹿児島で指揮を執り、2019年にはブラジルのコパ・サンパウロU20でソコーホSCを指揮し、日本人として初めてブラジルで監督となった。
 
 今年はこんな自分のことをもう一度振り返る時間があったが、誰にとっても大変な年であった。
 
 今回のコラムは、2020年を懐かしい話で締めくくった。
 
「やっさんってどんな選手だったんですか?」と言われて振り返ってみた。
 来年はもっと明るい良い年になりますように……。
 
2020年12月30日
三浦泰年
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