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【橋本英郎のJ3総括】なぜ秋田が独走優勝を飾り、2位を巡る昇格争いが熾烈を極めたのか──

カテゴリ:Jリーグ

橋本英郎

2020年12月30日

ふたつのU-23チームが小さくない存在に

首位独走のままフィニッシュした秋田。勝つための戦術が徹底されていた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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【テーマ②:2位争いがなぜこれほど熾烈になってしまったのか?】

 もうひとつの昇格枠、2位の座を巡る争いは最後までスリリングでした。今季のJ3は上位と下位の力の差がさほど大きくない、そんなリーグになっていたからだと思います。

 加えて、ガンバ大阪とセレッソ大阪の両U-23チームの存在はやはり無視できないものでした。若手中心のチームですが、彼らは時として強力なチームになり、またある時は脆弱なチームにもなりました。これは対戦相手にとっては重要なファクターであったと感じます。

 彼らの平均年齢は20歳弱です。ユースチーム所属の選手も多く出場するため、その日になってみないとゲームパフォーマンスがどれほどのレベルなのかが分からない。常時良好な状態で戦い続けることに慣れた、経験の高い選手は多くありません。

 このようなチームがいることで、勝点を積み重ねやすいときと難しいときが生まれ、昇格を目ざすチームにとってはポイントの計算で少なからずの狂いが生じていたと思われます。

 もう1点、大きなポイントがあります。

 それは、絶対的な得点源の選手が少ないこと。J3は外国籍ストライカーの数が少ないリーグなのです。

 昇格チームに得点ランキングの上位選手が多いかというと、4位タイのホムロ選手(相模原)と、8位タイの中村亮太選手(秋田)のふたりだけ。逆に下位や中位のチームから得点ランキング上位に顔を出す選手が多い、特異な結果となりました。

 つまりは、点を多く取って勝ち切ることが難しい。失点をいかに抑えられるかで勝点に繋がってきたかが、データ上にも表れているのです。あらためて思うのは、やはり秋田と相模原の堅守が昇格のポイントだったということです。惜しくも3位で昇格を逃したAC長野パルセイロも、シーズンを通じて堅守を誇示していましたが、最終節(いわてグルージャ盛岡戦/0-2)だけは、前述の「得点を多く取る」「無失点で終える」の2点を実行できませんでした。

 この点に関してFC今治はどうだったか。しっかり失点を減らすところは実践できていましたが、やはり点を取るところがシーズン通じてなかなかクリアできませんでした。

 ロアッソ熊本はリーグ最多の56点を叩き出すなど、点を取ることに関しては抜群の安定感でしたが、失点を抑えて勝ち切るというところが最後まで整いませんでした。得点と失点のバランスが上手く取れないチームが多いなかで、2位争いは混迷を極めたのだと考えられます。
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