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U-20W杯中止…無情の現実に翻弄された選手たちがピッチで示した本質「目標はもっと高いところに…」

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2020年12月28日

「U-20W杯にはもちろん出たかったけど、あくまで通過点」

関東大学選抜との練習試合に臨むU-19日本代表。ショッキングな報せがあった後の試合だったが、3-2で勝利を収めた。写真:安藤隆人

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 スタッフ陣は方向性を確認したが、一抹の不安があった。それは選手たちの動揺だ。「(ショックで)プレーをやれない選手がいるかもしれないという覚悟もありました」と影山監督も危惧していたが、選手たちは大人だった。

 冒頭で素直な思いを口にした西川も「決まってしまったものは仕方がないですし、A代表や海外で活躍するという目標をブラさないでやることが大事。今後、この経験が良かったと思えるようにしないといけない」と続けたように、試合前のミーティングでは引き締まった表情を見せていた選手たちは、関東大学選抜を相手に90分間最後までチームとして戦い抜き、3-2の勝利を飾った。

 このチームの精神的な支柱であるMF松岡大起も「W杯に行きたかった気持ちも正直あるけど、それでやるべきことが変わるわけではありません。目の前の試合に勝つことだけを考えてプレーをした」と、球際の強さと強烈なリーダーシップでチームを力強く牽引。

 西川とともに前回のU-20W杯を経験しているFW斉藤光毅が2ゴールを挙げれば、名古屋でコンスタントに出場をしているDF成瀬竣平がスーパーゴールを決める。さらに高校3年生のCB佐古真礼も何度も大きな声でコーチングやチームを鼓舞するなど、出場した全員が自分のやれることを必死で表現をしていた。

「一昨日の試合(慶應義塾大戦)よりパフォーマンスを上げた選手が多かった。気持ちが見えた試合だった」(影山監督)

 悔しくないわけがない。ショックなのは当然だ。だが、そう言う時こそ本質が問われる。その本質を選手たちはプレーと態度で示してくれた。

「U-20W杯にはもちろん出たかったけど、あくまで通過点。目標はもっと高いところにあるからこそ、ここで立ち止まらないで成長し続けたい」

 合宿から東京ヴェルディユースの一員として日本クラブユース選手権に戻ってきた佐古は、まっすぐ前を向いて力強く語ったように、選手個々が改めて自分が目指すべきものと、その道筋と真正面から向き合う機会になったと言える。

 現実から逃げずに向き合うからこそ、手にする財産がある。無情な現実を突きつけられた彼らだからこそ、成長への大きなきっかけになることを願ってやまない。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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