「細かいところまで自己分析できるようになった」
――ドリブル、動き出し、得点というセールスポイントの3本柱が揃い、その才能をプロの舞台で見出したのがタヴァレス前監督。18年7月21日の岐阜戦で、当時16歳の斉藤選手をJリーグデビューさせた指揮官でした。
「本当に感謝しています。あの頃は、失うものもなにもなく、ただただチャレンジしていましたね」
――確かにその後、Jデビューから約1年間は、上り調子の印象でした。
「そうですね、なんというか、“ゾーン”に入った感覚でした」
――ゾーン?
「試合中にあんまり考えていなくても、自然と身体が動いて、良いプレーをできるってことです。それはメンタルが関係しているのかなと思います。『もっと活躍しないとダメ』と焦ったり、イライラしたり、不安があったりすると、ゾーンに入れないので」
――メンタル面の不安があったのは、昨季の後半戦に出場機会が減少した時期?
「そうです。どうやったら試合で使ってもらえるのか、本当にいろんなことを悩みました。逆の立場になって考えてみたりもしていましたね」
――とはいえ復調し、今季のリーグ再開直後は、好パフォーマンスを続けていました。
「はい、あまり考え過ぎず、伸び伸びプレーできていたと思います。振り返ると、Jデビューから約1年間のゾーンは、たまたまだったんですよね。でも、偶発的だったものを噛み砕いて分析し、課題もあぶり出して努力した結果、今季の序盤戦に調子が上がった」
――その努力のひとつは、フィジカル強化?
「そのとおりです。当たり負けする回数が減って、相手DFを背負えるようになったので、間違いなく以前より強くなりました。ゾーンに入るために何をすべきか。プレー中に考え過ぎたらダメなんですけど、ピッチ外でできることを考えたんです。そうすれば、試合中に考えない状態に持って行けるのかなと。それがフィジカル強化でした」
「本当に感謝しています。あの頃は、失うものもなにもなく、ただただチャレンジしていましたね」
――確かにその後、Jデビューから約1年間は、上り調子の印象でした。
「そうですね、なんというか、“ゾーン”に入った感覚でした」
――ゾーン?
「試合中にあんまり考えていなくても、自然と身体が動いて、良いプレーをできるってことです。それはメンタルが関係しているのかなと思います。『もっと活躍しないとダメ』と焦ったり、イライラしたり、不安があったりすると、ゾーンに入れないので」
――メンタル面の不安があったのは、昨季の後半戦に出場機会が減少した時期?
「そうです。どうやったら試合で使ってもらえるのか、本当にいろんなことを悩みました。逆の立場になって考えてみたりもしていましたね」
――とはいえ復調し、今季のリーグ再開直後は、好パフォーマンスを続けていました。
「はい、あまり考え過ぎず、伸び伸びプレーできていたと思います。振り返ると、Jデビューから約1年間のゾーンは、たまたまだったんですよね。でも、偶発的だったものを噛み砕いて分析し、課題もあぶり出して努力した結果、今季の序盤戦に調子が上がった」
――その努力のひとつは、フィジカル強化?
「そのとおりです。当たり負けする回数が減って、相手DFを背負えるようになったので、間違いなく以前より強くなりました。ゾーンに入るために何をすべきか。プレー中に考え過ぎたらダメなんですけど、ピッチ外でできることを考えたんです。そうすれば、試合中に考えない状態に持って行けるのかなと。それがフィジカル強化でした」
――ただ、今季は中盤戦に入ると、また出番が減り……。
「はい、だから、まだまだピッチ外で考えるべきことはたくさんあります。フィジカルだって、細かいことを言えば、コンタクトスキルが未熟。身体の当て方や入れ方をもっと学ばないといけません。メンタルコントロールの術も覚えないと。課題は多いですけど、それでさえもポジティブに感じています」
――理由は?
「先ほどのゾーンの話や不調時のメンタル、今言った課題もそうですし、細かいところまで自己分析できるようになったと思うからです。プロに入ってから2年が過ぎて、自分の良いところや悪い部分についてハッキリと気づけることが増えました。いつでも好調な状態に持って行けるように、“ピッチ外”でよく考えるようになった」
――だからこそ、「今なら海外でできる自信がある」と。
「そうです。これから先に海外でどんな壁がきても、今なら乗り越えられるはず」
<後編に続く>
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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※12月10日に配信予定の次回は、ロンメルでどのような青写真を描いているのかについて紐解きます。
PROFILE
斉藤光毅(横浜FC)
さいとう・こうき/2001年8月10日生まれ、170センチ・61キロ。U-19代表にも選ばれている将来有望な若手FW。今季、J1では29試合で3得点を決めている。11月11日には、今季終了後にベルギー2部のロンメルへ完全移籍することを発表した。