久保建英とアンス・ファティ――マシアが生んだ“2人の天才”の知られざるエピソードをバルサ関係者が語る「やりたい放題だった」【現地発】

カテゴリ:ワールド

ジョルディ・キシャーノ

2020年11月07日

「タケとアンスが揃って出場する試合の勝敗は、キックオフの前から決まっていた」

2013年夏に日本で開催された大会で優勝したバルセロナ。この当時のチームには、久保やアンスの他に、現在マンチェスター・シティでプレーするE・ガルシアもいた。 (C) Getty Images

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 今回の取材では、アレビン時代にタケとアンスを指導した監督にも話を聞けた。ただインファンティルの監督同様、匿名が前提となる。これはクラブのコントロールが年々厳しくなり、メディアと話をすることが原則禁止されているためだ。スペインでは一般的なことなのでご了承いただきたい。 

 タケとアンスの対照的な側面を強調するのは、アレビン時代の監督も同様だった。

「アンスは冗談好きで、試合でも練習でも笑顔を絶やすことがなかった。カーニョ(股抜き)やバセリーナ(ループシュート)など派手なプレーを好み、ドリブルやフェイントを仕掛けるときも、必ずそこに“色気”を加味しようとするんだ。対してタケは、どうすれば試合に勝てるかということを、つねに意識してプレーする子だった。アンスよりプレーは実用的で、成功率も高かったね」

 そんな性格もプレースタイルも対照的なふたりだが、ひとたび試合になると、息の合ったプレーを見せ、互いの長所を引き出し合った。

「好調時の彼らは、もはや止めようがなかった。大袈裟でもなんでもなく、タケとアンスが揃って出場する試合の勝敗は、キックオフの前から決まっていたんだ。もうそれこそやりたい放題だったよ。本当にすごかった」
 
 こうこう述懐するのは、インファンティル時代の監督だ。彼によると、クラブに提出するふたりに関するレポートには、つねにポジティブな言葉が並んでいたという。

 前出のアレビン時代の監督が指揮したチームには、CBのエリック・ガルシア(現マンチェスター・シティ)やGKのアルナウ ・ テナス(現バルサB)など有能なタレントが揃っていた。そのチームの中で攻撃を牽引していたのが、タケとアンスだった。ちなみにタケはアレビン時代、1シーズンに30試合で74得点を叩き出したが、その多くはアンスからのアシストだった。アレビンの監督はこう振り返る。

「ゴールラッシュの連続だった。最初はスペイン語をまったく理解できなかったけど、タケはとても頭のいい子でね。チームに溶け込むのは早かった」

 タケの聡明さについては、インファンティル時代の監督も舌を巻く。

「忘れもしない、あれはポゼッションの練習をしていたときだ。みんなにポイントや注意点をひと通り説明したあと、さて、どうやって言葉の分からないタケに説明しようかと思っていたら、タケがジェスチャーで、『すぐに始めてもいいよ。意図はだいたい理解したから』って示してくれたんだ。実際に彼は、練習の狙いをしっかり理解していて、だれよりも良いプレーを見せていた」

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