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あのブラジル人J戦士はいま【第8回】エジムンド――あわや刑務所行きだった“野獣”が意外な転身「日本でのプレーが貴重な財産に…」

カテゴリ:Jリーグ

沢田啓明

2020年10月31日

故障と偽ってブラジルに戻り、カーニバルに参加

2003年に移籍した浦和ではオフト監督と対立。カップ戦に出場しただけで早々に退団した。(C)SOCCER DIGEST

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 2001年10月、2部降格の危機に瀕していた東京ヴェルディに緊急入団。攻撃の中心としてチームを牽引し、奇跡的な残留の立役者となった。翌年はリーグ開幕前に故障と偽って母国へ戻り、カーニバルを楽しんできて序盤3試合を欠場したが、それでもチーム最多の16得点をあげた。

 2003年に浦和レッズへ移籍したが、規律を重んじるハンス・オフト監督と衝突。リーグ戦に全く出場しないまま、3月末に退団した。

 その後、ヴァスコダガマやパルメイラスなどでプレーした後、2008年、37歳で現役を引退した。

 2009年から、ブラジルのテレビの解説者を務める。当初は適性を疑う声が多かったが、意外にも勝負を分けたポイントなどを理路整然と解説し、視聴者からの評判は上々だ。
 
 2016年11月末、コパ・スダメリカーナ決勝のアトレティコ・ナシオナル(コロンビア)対シャペコエンセ(ブラジル)の試合を現地で解説する予定だったが、個人的な事情から辞退。シャペコエンセ選手団とブラジルメディアを乗せたチャーター便が墜落して乗客・乗員77人中71人死亡したが、彼は難を逃れた。

 波乱万丈の人生を振り返って、こう述懐する。

「これまで僕は、自分が思うことをそのまま口にし、行動してきた。そのせいで周囲と軋轢を生み、随分、失敗もした。でも、それをすべて含めて、自分の人生に誇りを持っている」

 日本で過ごした日々については、こう振り返る。

「全く異なる文化を経験し、素晴らしい人たちと知り合えたのは僕にとって貴重な財産だ。日本の人たちにとても感謝している」

 長所も短所も特大。ニックネームとは裏腹に、これほど人間臭い男は少ないだろう。

取材・文●沢田啓明
 
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