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「言葉にならない」香川真司の“短かすぎた”ユナイテッド時代を英国人記者が回顧。「真のスターになろうとしていたのに…」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

スティーブ・マッケンジー

2020年10月23日

「カガワは相応しい評価を受けていなかった」

ファーガソン監督(右)が1年で去ったことが、香川のユナイテッドでのキャリアを短くさせたようだ。 (C)Getty Images

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 そして私とベネット氏は、その栄光への道を閉ざした要因は「監督の交代」たという意見で一致した。同氏は香川を「非常に整然としたフットボーラーであり、テクニックにも優れ、チャンスが訪れた時にはフィニッシャーとしても活躍する選手」だと考えていたという。そして、プレミアリーグでの優勝を除けば、香川がハットトリックを決めたノーリッジ戦で、「彼がファン・ペルシのパスをネットに流し込んだ瞬間」が一番好きだったという。

 ほかにも、数人のユナイテッドファンに話を聞いてみた。香川のことは覚えているが、あまり詳しくないという人もいた。それは、このクラブには数えきれないほど成功した選手がほかにもいるので、仕方のないことではある。

 それでも、香川は日本人選手として最大の成功例のひとつであり、ユルゲン・クロップとサー・アレックス・ファーガソンという指導者に恵まれたプレーヤーだということは確かだ。選手を育てるという点では似たような特徴を持った監督の下でプレーし、ドイツで結果を残し、イングランドでも成功する可能性を十分に秘めていた。

 ファーガソンが指揮した最後のシーズンで、香川はチャンスメークの頻度が高く、ロビン・ファン・ペルシの影で輝く光りのひとつと考えられていた。スポットライトはファーガソンとの別れとファン・ペルシのゴールに当たり、相応しい評価を受けていなかったとさえ思う。
 
 特にベネット氏も挙げていた、2013年のノリッジ・シティ戦でのハットトリックは、その3ゴールだけでなく、その得点の仕方も含めて、ユナイテッド・ファンの記憶に残っている。どれも落ち着いていて、どのチャンスにも難なく対応していた。 

 引退前のサー・アレックス・ファーガソンの最後のホームゲーム、スウォンジー戦では、ユナイテッドが2-1で勝利し、香川はマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。叶わないと知りつつも、もしファーガソンがもっと長く在籍していたら―――。

 彼はもっと多くのマン・オブ・ザ・マッチを獲得していただろうし、ユナイテッドのファンがもっと輝かしい言葉で覚えてくれる選手になっていたはずだ。その時代に思いを馳せつつも、ファンは今も、彼の無事を祈り、元気でいてくれと心の底から願っている。

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
 
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