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バルサは買い物下手、それ以上に売るのも下手。上層部は自画自賛も、クーマン監督は憤慨【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年10月11日

なぜラフィーニャを「売上ゼロ」で手放すことになったのか?

近年のバルサの補強で「当たり」と言えるのはこのラングレぐらいか。(C) Getty Images

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「(SDの)レオナルドから当日の朝に電話で獲得の申し入れがあった。FFP(ファイナンシャル・フェアプレー)に抵触しないために無償が条件だった。クーマンはかねてから必要な選手ではないと意見していたし、ラフィーニャからも(パリSGへの)移籍を容認してほしいと懇願された。国内のクラブでは(昨シーズン、所属した)セルタからもオファーがあったが、条件はパリSGよりも悪かった」

 CLの出場権獲得に応じたインセンティブが300万ユーロ(約3億7500万円)、さらに将来売却される際に、35%の収入を得るという条項が盛り込まれているが、今現在このラフィーニャの放出でバルサに計上される売上額はゼロだ。

 昨シーズンのCLバイエルン戦で2-8という歴史的大敗を喫した直後に、ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長は「われわれは決断を下す必要がある」と発言した。しかし結局のところ、その決断とは、高年俸のベテラン選手たちを整理することにあったことが移籍マーケットを経て図らずも明らかとなっている。

「われわれの目的は売り上げ記録を樹立することではない。タイトル獲得のレコードを更新できるチームを作ることだ。補強ターゲットは旬を迎えている選手であり、売りに出すのは機が熟した時に限られる」

 今から約10年前に前出のベギリスタインはバルサのSD時代にこう胸を張って語っていたが、隔世の感すらある。
 
 もちろんパンデミックの影響があったのは間違いない。事実、昨年までは選手の売却資金を除き6000万~7000万ユーロ(約75~88億円)が補強予算として計上されていたが、今年は早い段階でエリック・アビダル(前SD、昨シーズン終了後に退団)とラモン・プラネス(アビダルの退任に伴いSDに昇格)に対し、選手売却で資金を捻出しない限りは、補強費を工面することができないと釘を刺されていたという。

 しかしながら、バルサが過去6シーズンにマーケットに投下した総額は10億7985万ユーロ(約1350億円)に達する一方で、選手放出による売却益は7億2275万ユーロ(約903億円)に留まる。しかもその間、獲得した選手の中で昨シーズン、レギュラーとしてプレーしたのはクレマン・ラングレ、アントワーヌ・グリエーズマン、フレンキー・デヨングの3人のみ。準レギュラーと呼べるのもいずれもこのオフ、退団したアルトゥーロ・ビダルとネウソン・セメド(現ウォルバーハンプトン)くらいだ。

 いくら本人たちが美辞麗句を並べてもこの買い物下手、さらにそれを上回る売り下手がバルサをあらゆる面で弱体化させたのは紛れもない事実である。

文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
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