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なんと今年度は4選手のJ入団が内定! 昌平高校はなぜ短期間で“埼玉の本流”となれたのか

カテゴリ:高校・ユース・その他

河野 正

2020年10月09日

選手権予選で4強入りすれば、8年連続の新記録

昨年度の選手権は初の8強進出。2年生でチーム主将を務めた須藤(中央)がブレイクした。はたして今年度は……。写真:浦正弘

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 初出場した2016年のインターハイで4強に進んだ陣容から、松本泰志(アビスパ福岡)と針谷岳晃(ジュビロ磐田)が初のJリーガーになると、翌年は佐相壱明(長野パルセイロ)が続く。18年のインターハイ4強の立役者である原田虹輝は川崎フロンターレへ、日本代表MF鎌田大地の弟・大夢は今春、福島ユナイテッドに加入した。

 そして今季のチームから一気に4人のプロ選手を誕生させるなど、昌平はいまや人材の宝庫と言える。

 1979年創立の東和大昌平時代は、県大会にすら進めない弱小だったが、校名を変えた07年、青森山田高校でコーチ、青森山田中学で監督を務めた藤島監督が着任すると、8年目の14年に全国高校選手権埼玉大会で初優勝。これまでに同大会を4度、インターハイ予選を3度、関東大会予選を1度、新人大会を5度制し、短期間で埼玉高校サッカー界の本流となったのだ。

 指揮官は就任以来4-2-3-1の陣形を変えず、ボールを保持する戦い方を貫く。「ボールを握る時間が長くなるほど得点の可能性が増え、失点のリスクは減る。うちの戦術はボールを失わないことが基盤」と、マイボールを大切に扱わせている。

 11年9月に完成した人工芝グラウンドのほんの一部を使い、12対12に時間を割く。狭い地域での反復練習が、チームの特長である少ないタッチでのパス交換と高いボール支配率を可能にし、同時に技術と判断力を向上させた。ここ数年は、とりわけ緩急自在のドリブルを駆使できるMFが数多く育っている。

 12年に中学生のクラブチーム、FC LAVIDAを創設。昌平のコーチ陣が指導に当たり、有望株を“昇格”させる下部組織制も好素材を輩出する一因だろう(小見と小川はLAVIDAの出身だ)。昌平のコーチでもある村松明人監督は、「ボール扱いを大事にし、個の長所を伸ばす指導をしています。彼ら4期生は優秀な選手が多かった」と述べる。

 総勢12人もの指導者を抱え、09年からは藤島監督の父・信雄さんもコーチ陣に加わった。日本代表の国際Aマッチ64試合に出場し、主将も務めた豊富な経験と知識を伝えてもらえる利点も大きい。

 その年の主力が翌年にはポジションを失うこともしばしばで、才能豊かな人材が次から次へと現われる。元々高い水準にあった選手を鍛え上げ、圧倒的な個の力と組織力で全国区の強豪へと栄達した。

 全国高校選手権埼玉大会では、前回まで7年続けての4強入り。今年も準決勝へ進んで8年連続となれば、全国大会の出場校が現在の48校に定着した83年度の第62回大会以降、大宮東高校を抜いて埼玉の最長記録となる。昌平の隆盛はとどまることを知らない。

取材・文●河野 正

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