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「いつか必ず日本に戻る」セレッソ大阪退団後に驚きのキャリアを歩む――あの助っ人たちの“いま”【ディエゴ・フォルラン】

カテゴリ:Jリーグ

チヅル・デ・ガルシア

2020年10月06日

母国ウルグアイで監督生活を始めるも――

プロフェッショナルとしてセレッソ大阪のために奔走した1年半。その間にフォルランは誰からも愛される存在となった。 (C) SOCCER DIGEST

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 2016年7月にペニャロールとの契約が満了となったフォルランは、ムンバイ・シティFCに入団。インドでの異例の挑戦を決めたのである。

 60日間限定という独特の開催方式のもと、期間中は各国から集まったチームメイトたちと一緒にホテルで暮らした日々をフォルランは、「文化的にとても豊かで貴重な経験になった」と話している。

 インドから帰国したフォルランは、ペニャロール復帰を試みるも交渉成立に至らず。約14か月間のブランクを経て、2018年1月に香港の傑志体育会に入団。同年5月に退団するまで、14試合に出場して6ゴールをマークした。

 その後、再びペニャロールでプレーしたいという気持ちを捨てられないまま、フォルランは昨年8月に40歳で現役引退を発表。選手としての復帰は実現しなかったが、12月に同クラブの監督に就任して周囲を驚かせた。指導者としてのデビューの場所が、母国の強豪だったからだ。

 兄パブロとウルグアイ代表時代のチームメイトだったフアン・カスティージョをアシスタントにつけ、今年1月から指揮を任されたフォルラン。だが、監督としての船出は苦過ぎる経験となってしまう。

 コロナ禍によって中断されたリーグ再開後、初戦となった宿敵ナシオナルとのクラシコで敗れたことを機にフロント陣と意見のズレが生じ始め、思うように勝ち切れないゲーム内容にサポーターの間で不満の声が高まったのだ。
 
 ナシオナルが好調であったこともプレッシャーとなり、内容と結果を即時に求められるという南米の強豪クラブの監督が背負う厳しい宿命の犠牲となったフォルランは、就任からわずか8か月で解雇を通達された。中断期間の5か月を除くとペニャロールでの活動期間はわずか3か月のみで、11試合を指揮しただけで、その座を追われる結末となってしまったのである。

 それでもフォルランのペニャロールへの愛情は変わらない。自身のSNSアカウントを通じて、「指導のチャンスを与えてくれてありがとう」と伝えただけでなく、選手やクラブ施設で働く影の功労者への感謝の言葉も忘れなかった。

 フォルランがフロント陣から不遇な扱いを受けたと考える人は少なくない。そんな周囲の不満を鎮めるかのように、メッセージにはこんな一文も添えられていた。

「未練はない。サッカーとはこういうものだから」

 セレッソ大阪を退団後、「私も妻も、目的が仕事であろうとプライベートであろうと、いつか必ず日本に戻ることを約束した」と語ったフォルラン。もしかしたら近い将来、監督として日本を訪れる日が来るかもしれない。

文●チヅル・デ・ガルシア text by Chizuru de GARCIA
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