【CLポイント解説】実力差を見せつけたポルト圧勝の妥当 バーゼル・柿谷は見せ場なし

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2015年03月11日

2ライン間で孤立…存在感を示せなかった柿谷。

ポルトが狙ったのは、ゴンサレス(右)があまり守備に戻らないバーゼルの右サイド。左SBのA・サンドロ(左)が攻め上がってブライミとアブバカルに絡み、数的優位を作り出した。 (C) REUTERS/AFLO

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このカゼミーロがダメ押しのFKを決めたのが56分。そこまで手をこまねいていたP・ソウザ監督の采配には疑問が残る。63分に交代で入った柿谷もほぼ何もできなかった。 (C) REUTERS/AFLO

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4)後半開始直後に訪れた事実上の終戦
 
 前半はその後も、1点リードしてますます余裕が出たポルトが落ち着いたポゼッションで試合をコントロール。押し込まれたバーゼルはボールを奪っても自陣から持ち出すことすらままならない。
 
 ほとんど見どころらしい見どころがないまま前半が終わり、ポルトのリードで迎えた後半、追い込まれたバーゼルは、キックオフ直後からがむしゃらなハイプレスを仕掛けて、試合の流れを変えようと試みた。
 
 しかしポルトはこれを簡単にかわして左サイドに展開、そこからブライミがドリブルで突っかけるという、前半とまったく同じ流れに持ち込んでしまう。
 
 最初の突破は阻まれ一旦クリアされたものの、そこから再び左サイドにボールが入ると、ブライミがドリブルでペナルティエリアに進入し、3人を引きつけたところで、ペナルティアーク左でフリーになったエレーラにパス。そのエレーラがファーポスト際に狙いすましたミドルシュートを叩き込んで、後半開始わずか2分足らずで決定的な2点目をポルトにもたらした。
 
 これで2試合合計スコアは3-1。ピッチ上にここまで表われた両チームの歴然たる力の差から見て、この時点で勝負は完全についたと言えるだろう。
 
5)存在感ゼロだった柿谷
 
 バーゼルのP・ソウザ監督が交代のカードを切ったのは、カゼミーロがFKからダメ押しの3点目を決めて、最後の希望すらも失われた57分になってからのことだった。
 
 まず、CBシェアに代えてFWエムボロを右ウイングに投入し、ゴンサレスを右サイドハーフに下げて最終ラインを3バックとした3-4-3にシステムを変更。続いて63分にはMFフライを下げてFW柿谷を投入、さらにチームの重心を上げる。
 
 しかし、この交代も付け焼き刃でしかなかった。前線のアタッカー陣の動きはバラバラで全く連携が取れておらず、危険な場面は一度も作れないまま。柿谷も2ライン間で孤立し、たまにボールを持っても闇雲に仕掛けてあっけなくロストするという繰り返しで、存在感はゼロに近かった。
 
 第1レグは狙い通りの試合運びであわや勝利を掴むかというところまで行ったバーゼルだったが、第2レグではポルトに実力の差を見せつけられた格好。2試合合計5-1は、180分の内容からすれば妥当な結果だった。
 
文:片野道郎
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