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【川崎】踏み出した新たな一歩。約10か月半ぶりのスタメン復帰に中村憲剛が抱いた感慨深き想い

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2020年09月26日

新ポジション、インサイドハーフとしてのイメージは…

横浜FC戦では旧知の仲である松井や中村俊輔ともマッチアップ。試合後には互いに笑顔を見せた。写真:田中研治

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 今季、新システム4-3-3を導入し、快進撃を見せる川崎にあって、ここ数年、中村が主に務めてきたトップ下、ボランチというポジションはない。中盤は逆三角形型で「2枚のインサイドハーフ+アンカー」に変化したのだ。

 さらにチームは例年以上に攻守の切り替えの速さを求め、インサイドハーフの役割はパスの供球、前線への走り込み、守備のスイッチ役、アンカーのフォローなど、多岐に渡る。

 これまで外から見ていたインサイドハーフという新たなポジション。実際にプレーしたことで、よりイメージは広がったという。では具体的にはどんな感覚だったのか。サッカーの話を振ると、その言葉はより淀みなく、より豊富になる。

「ボールを回している時の立ち位置、インサイドなのでハーフスペースを使うことが多いんですが、後ろの回しに対していつヘルプに入るとか、どこまで我慢するかとか、鬼さんに声をかけられながらやっていましたが、ここはまだ我慢なんだなとか、今入ったほうが良いんだとか。あとは前との絡みもそうですし、それは相手の守備のやり方にもよりますが、この間はかなり真ん中を締めてきたので、そういうなかでサイドから攻撃はできていたと思います。

 そうするとサイドをえぐった時に、逆サイドのインサイドハーフとして、ペナ(ルティエリア)にどんどん入っていく意識はもっと付けなくちゃいけないなと思いましたし、あとはニアゾーンへのランニングもそうです。元々やっていたことですが、今年はよりチームとしてハッキリと役割があるなと感じました。上から観ていた時に落ちたほうが良い、走ったほうが良いと考えるのと、実際にピッチに立って、ここでそうするんだとか知れたのは大きいですよね。擦り合わせられたので。

 レオ(大卒ルーキの旗手怜央)やミキ(今季、湘南から加入の山根視来)らとは(実戦では)実質、初めてくらいにやったので、自分がどういうプレーヤーか知ってもらわなくちゃいけないですし、実戦でやんないと分からないこともある。そういう意味では2人とも話をできましたし、関係を構築するのは練習だけではなかなか難しいなとも改めて感じました。

 インサイドハーフでもそうですし、ひとりの選手として、今のフロンターレのサッカーにどうやって入って、どうやって自分を活かすか。試合は何回か見直しましたが、よりすんなりと入れるように、攻撃のところ、守備のスイッチのところもそうですが、これまで自分で自分を分析してどう良くするかを17年間やってきたので、そこに戻れたことは嬉しいです。あとは出番が来た時に時間をより増やしたいです」
 ちなみに横浜FC戦ではもうひとつ喜びがあった。それが前述したように、揃って先発出場し、プレーした“キング・カズ”とのユニホーム交換だ。

 中学生の頃に戻った感覚で、緊張して何を話したか覚えていないという交流は「やっぱりカズさんは凄い」と刺激になったようだ。

 手渡された11番のユニホームの在りかを訊くと「クラブハウスのロッカーにかけて、自分のほうに向けています。11番が常に視界に入るように。少なくともシーズンが終わるまではそうして、パワーをもらいます」と笑顔を浮かべる。

 年齢の話をされるのはあまり好まないだろう。ただ、40歳になる今年、Jリーグ切っての司令塔は、53歳の大先輩から活力をもらい、さらなる進化を見据える。

 幸いにも怪我した左膝を含めてリバウンドはないという。今季の川崎を象徴する活きの良い若手たちにも「感化されている」と話す男は、静かに、だが沸々と込み上げる情熱を胸に、一歩ずつ前進を続けているのだ。

 期待値を上げすぎるのは良くないと分かっていながら、今度はどんな驚きをもたらしてくれるのか楽しみにしている自分がいる。それはきっと私だけではないのだろう。そのストーリーには今後、どんな冒険譚が描かれているのか。ゆっくりと味わいながら、これからも楽しみに待ちたい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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