【磐田】熱い鉄が叩かれて強靱な鋼に――タフに戦い続ける伊藤洋輝が醸し出す風格

カテゴリ:Jリーグ

高橋のぶこ

2020年09月11日

「クオリティの高いものを自分自身に求めていきたい」

高精度の左足キックが大きな武器。卓越した配給力で好機をお膳立てする。写真:徳原隆元

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「一番後ろからだけど、守備から攻撃まで関与できればいいと思います。自分としては守備も最低限のことはできてきていると思う。やりながら、自分でいろいろ理解し、学びながらやっていきたい」

 ボランチからCBにコンバートされた数試合後、伊藤はそう語っていた。そのときどきに与えられた環境で、変化を厭わずに多くを吸収できることは、磐田のキーマンになりつつあるレフティに備わった才能のひとつだろう。

 チャンスの端緒となる縦パスを、伊藤は昨季所属した名古屋の風間八宏監督(当時)の下でさらに磨き、球際の強さやタフネスを、その後に名古屋を預かったマッシモ・フィッカデンティ監督に要求され身につけたと言う。そして、今季4つ目のポジションとなる左SBをこなした水戸戦の後、若きレフティはこう話した。

「90分間走っているので疲れはありますが、その中でどれだけ良いプレーができるかが大事。もっとクオリティの高いものを自分自身に求めていきたいと思います。SBは初めてなので、練習の合間や空いた時間にヨーロッパの色々な選手を見ながら勉強しています。

 大森さんとも話しながら上手く良い連係を作れていると思うので、左サイドからもっと崩せるように、活性化できるように頑張りたい。監督はいろいろなポジションで使ってくれていて、期待というのは感じていますし、それに応えてチームの勝利に貢献したいと思います」

 目標は、欧州で活躍すること。疲れとも戦いながら、新たな役割に取り組み、闘い続ける伊藤を見る者は今、熱い鉄が叩かれて強靱な鋼に仕上げられるように、将来欧州で活躍する名手が、厳しい環境で鍛練し、強く逞しく進化する様を見ることができているのかもしれない。

文●高橋のぶこ

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