「もう、必死だよ」が口癖だった――引退・内田篤人、デビューイヤーの衝撃と17歳の本音

カテゴリ:Jリーグ

小室功

2020年08月24日

「僕がいちばんヘタクソ。練習についていくのがやっとだし…」

 3月21日、4節の甲府戦では、J初ゴールを叩き込んだ。26分、ゴール右のスペースに走り込み、相手とボールを奪い合う形になったが、スライディングしながらマイボールにすると、ひとりかわして思いきって狙った。17歳11か月22日。クラブ史上最年少ゴールの瞬間だった。

「味方からいいボールがきたので、一生懸命に走ったら、うまく抜けられて……。ゴールが見えたので、シュートした。打った時はよく分からなかったけれど、点を決められて、本当にうれしいです(笑)」

 初々しいコメントに無我夢中であったことが窺える。

 ゴール前で待ち構えていたFWの柳沢敦に飛びつき、ガシッと抱き合った。チームメイトが次々に駆け寄り、喜びの輪が広がった。カシマスタジアムに歓声が響き渡った。

 優秀新人賞を受賞した06年のルーキーシーズンは28試合に出場し、2得点の実績を残す。疲れているはずなのに、なかなか寝付けない夜もあったとか。もう、必死だよ――。これが当時の口癖だった。

「僕がいちばんヘタクソ。練習についていくのがやっとだし、周りに迷惑ばかりかけているので、申し訳ない。試合では、すぐ横の岩政(大樹)さんやボランチの(小笠原)満男さんに世話になっている。自分が困った時、満男さんにボールを預けて、“あとはお願いします”というパスも結構あったね。まあ、満男さんなら、なんとかしてくれるんで(苦笑)」

 翌07年にクラブレジェンドのジョルジーニョや名良橋が着けてきた伝統の背番号2を引き継いだ。プロ2年目ながら、瞬く間に鹿島の顔に成長していく。だが、その後のサクセスストーリーを思えば、まだまだ序章に過ぎない。

文●小室功(オフィスプリマベーラ)

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