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「調子乗り世代」では異色の存在。少し斜に構えたクールな内田篤人の面白さを知ったU-20W杯カナダ大会

カテゴリ:Jリーグ

佐藤俊

2020年08月22日

「ウッチーはいつもバランスを考えてくれている。指摘も鋭くて、頭いいんですよ。でも、シャイであんま絡んでこない」(槙野)

内田はチームや置かれた状況を俯瞰し、ムードに流されない冷静な視点も持っていた。写真:サッカーダイジェスト

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 試合や大会については楽観視せず、クールに見ていた。

 大会前、槙野らが「黄金世代を超えるでしょ」と自信たっぷりに語っていた。一方、内田は「勝って勢いに乗ればと思うけど、それだけで決勝にいけるわけではない。世界は、そんなに甘くないでしょ」と冷静に見ていた。のちにザックが指揮する日本代表で本田圭佑らが「ブラジル・ワールドカップ優勝」を目標に自分たちのサッカーを貫こうとする様を見て、内田は「それで勝てるのか。ワールドカップで勝つのがどれだけ難しいことか」と語ったが、カナダの頃から勢いやムードに流されない冷静な視点を持っていた。
 
カナダ大会、内田は楽しそうだった。
「いいなぁって思える仲間と一緒に戦えるのは楽しいですよ」と試合はもちろん、練習が終わった後の自由時間もチームメイトと街に出て、散歩したり、カフェでくつろぐなどリラックスする時間を楽しんでいた。

 クールな内田にちょっかいを出していたのが槙野だった。02年日韓ワールドカップの戸田和幸のように赤く染めた髪を尖らせていた槙野は、「ウッチーはいつもバランスを考えてくれている。指摘も鋭くて、頭いいんですよ。でも、シャイであんま絡んでこない。ゴールパフォーマンス、今度はウッチーにもやらせます」とニヤニヤしながら語っていた。内田はノリが違う彼らからも信頼されていたのだ。

 チームは、初戦のスコットランド、続くコスタリカを破って2連勝でグループリーグ突破を決めた。黄金世代でさえも実現できなかった最速での決勝トーナメント進出だった。ベスト16でのチェコ戦は2点を先制しながら3分間に2本のPKで追いつかれ、延長、PK戦の末に敗れた。流れ的には勝てた試合だっただけに、試合後の内田の表情は、それまでにない厳しいものだった。

「ふたつのPKで追いつかれたのがちょっとね……。ただ、その後、相手が一人退場してこっちのペースになっても突き放せなかった。2-0は危ないってよく言われるけど、世界は何が起こるか分からない。ほんと、怖いなって感じた。でも、世界と戦うのは楽しかった。もっとこういう世界で戦いたい。そう思えたことを次にどう活かすか、ですね」

 内田は、感傷に浸ることなく、もう次を見ていた。
 
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