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なぜ年代別代表に選ばれてこなかったのか…広島DF野上結貴の“規格外”の能力と久保竜彦との共通点

カテゴリ:Jリーグ

中野和也

2020年08月21日

得点の形が全くもって、CBっぽくない

湘南戦では浅野雄也の得点をお膳立て。野上(右)は「0.5点でお願いします」。 写真:田中研治

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 潜在能力を正しく評価するのは難しい。特にサッカーにおける適性ポジションを発見するのは、指導者の手腕や経験に大きく左右される。久保や野上が最初から適性ポジションでプレーしていればとは思うが、逆に言えば発見されただけ幸せだ。

 ミハイロ・ペトロヴィッチがDFとして評価していた盛田剛平がプロでFWをやっていたと聞き、「その事実そのものが間違いだ」と論評していたが、彼には大学ナンバーワンFWとして評価された過去がある。ボジション適性を発見し、能力を正しく評価するのは本当に困難だ。

 高校時代は「プロになんてなれそうにない」と言っていた男が大学3年(2012年)で横浜FCの特別指定選手となり、一方で湘南ベルマーレからも獲得のオファーが届いた。横浜FCとの契約を選択した野上は1年目からCBのレギュラーを確保し、2016年夏に広島へ移籍。今や、堂々たるレギュラーとして広島の堅守を支え続けている。

 前節のFC東京戦でJ1通算2万2500ゴールという節目の得点を記録したが、その得点の形が全くもって、CBっぽくない。青山敏弘からのサイドチェンジをヘディングで折り返そうと見せかけてスルー。茶島雄介のワンタッチパスを左足で柔らかく収め、反転して冷静に逆サイドへと流しこんだ。

 ここまでJ1では1得点しか記録していないとは思えないほどの落ち着き。高校時代にFWでプレーしていた名残りが、身体に残っていたと思わせるほどストライカーっぽいゴールだった。

【動画】野上結貴のDF“らしくない”ゴール。FC東京戦の先制点をチェック!
 
 野上は今季の目標を「5点に絡む」と設定している。報道陣から「先日の浅野雄也の得点の時に前で潰れたのは、点に絡んだとカウントするのか」と問われ「一応、得点+アシストなんだけど、でも0.5点でお願いします」と笑顔で答えた。ただ、野上結貴が本来の力を発揮すれば、5点の目標は得点数だけで達成できるはずだ。今季はより積極的に前に出て、流れの中でもペナルティエリア内に飛び込むケースが増えている。

 周囲が野上の存在を発見できれば、間違いなく決定的な仕事ができるはず。本人は「いやいや」と言うが、田中マルクス闘莉王のような超攻撃的CBに脱皮できる可能性だってある。その潜在能力はFC東京戦での“テクニカルゴール”が証明している。

取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)
 
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