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「正直、勝てるとは…」CLベスト4進出のリヨンにフランス全土が騒然!! 快進撃を支えた会長の“本気”【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

結城麻里

2020年08月17日

パリSGのエムバペも同郷クラブを祝福

もはや“マンCキラー”となったコルネ(右)。 (C)Getty Images

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 だが、もっと挑戦的だったのは若きキリアン・エムバペだ。リヨンがマンチェスター・Cを木っ端微塵にするや否や、ソーシャルネットでリヨンの勝利を拍手マークで称えながら、英語でこう発信したのだ。

 「FARMERS LEAGUE」

 これは「“農民リーグ”2クラブが準決勝進出さ」という痛烈な皮肉である。スペイン、イングランド、イタリアなどの選手たちがリーグ・アンを「農民リーグ」と馬鹿にしてきたのに対し、ここぞと反撃した“挑戦状”とも言える。

 バルサの壊滅とグアルディオラの惨敗は、「ティキタカ時代」の(一旦)終焉と、「パワフルでスピードに溢れるトランジッション時代」の到来を告げているのかもしれない。そして15年ぶりにリオネル・メッシとクリスチアーノ・ロナウドが消えた準決勝には、エムバペが登場することになる。

 だがパリだけでなく、リヨンの快挙も感動を呼んでいるところだ。なにしろユベントスを下し、マンチェスター・Cも下したのだから、勢いは凄まじい。

 フランス人で元ポーランド代表のリュドヴィク・オブラニャクは、テレビ『LA CHAINE L’EQUIPE』の人気討論番組で、「正直、リヨンが勝てるとはさすがに思わなかった。自分が間違っていたことを認めたい」と語り、選手とリュディ・ガルシア監督に脱帽した。

 また、元リヨンの監督で、フランス代表監督も務めたレイモン・ドメネクは、「彼らは、コロナでリーグが中断し、上昇中だったのにリーグ7位に甘んじることになった一件を、強烈に不当と感じてきた。だからモチベーションが凄まじかった。コンフィンヌモン(引きこもり)中もその後も凄まじいフィジカルトレーニングを重ね、彼らの脳裏は『勝つ』になっていた」と分析した。

 さらに、選手たちの大化けも大きな話題になっている。

 ここ3回の対戦でマンチェスター・Cを相手に4ゴールを決めたマクスウェル・コルネには、「Mad Max」(『L’EQUIPE』)の形容が与えられた。2ゴールを叩き込んでマン・オブ・ザ・マッチに選出された24歳のムサ・デンベレには、ついにレ・ブルー(フランス代表の愛称)の扉が開きそうな気配だ。そして、あらゆる面でまばゆかったウセム・アウアーには採点「9」がつき、メガクラブからのオファーが殺到するに違いない。

 もっとも採点「9」はアウアーだけではない。ガルシア監督にも「9」がついた。仇敵マルセイユのサポーターまでが、「今日の彼には脱帽だった」と発信したほど。「ビッグマッチで勝てないと言われてきた指揮官だが、ついに実力を証明した」との評価も相次いだ。
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