厳しい環境を経てJリーグに入ってからも決して順風満帆ではなかった選手だからこそ、J１公式戦に出場できるありがたさを理解している。さらには「僕にできることをまず整理して、今自分にできることを試合前のミーティングでしっかり把握して挑むように考えています」と、チームのために何ができるかを冷静に把握できていることが、ここ２試合の活躍につながった。

　もちろん現状に満足しているわけではない。「テンポを上げるプレーの数がまだまだ少ないのですが、神戸戦よりボールに触る回数は増えてきました。ただ、神戸で対戦した時のイニエスタのような驚異的なパスがまだまだ出せていません。攻撃をスピードアップさせるようなパスをもっと出せたらと思っています」と目標は非常に高い。

「ただパスをもらって出すだけじゃなくて、もっと相手が嫌がるようなパスを出して、もっと前を向いて、怖いパスを出せるような選手になりたいです」

　試合出場だけに満足せず、貪欲さを失わない浜崎。今後仙台が躍進できるかどうかのキーパーソンとなりそうだ。
　
取材・文●小林健志（フリーライター）

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