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「もう失うものがないくらいに追い込まれていた」。Jで挫折した世代別代表歴もある“元市船のドリブラー”が、韓国で再起した舞台裏

カテゴリ:Jリーグ

飯間 健

2020年08月06日

「ドリブルが上手いと言われていましたが…」

16年の後半戦は相模原、17年は群馬、18年は沼津にレンタル移籍した石田。日本では思うような活躍ができなかった。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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 石田は、プロへの扉を開いたそれまでの石田雅俊を捨てた。

「ドリブルが上手いと言われていましたが、トップオブトップのドリブラーにはなれないと痛感しました。圧倒的なスピードがない。もちろんドリブルは諦めていない。現在もスピードを上げる練習はしています。けど、その土俵では上に突き詰めることができないと感じています。それならば真ん中のポジションで、ターンとかワンタッチで味方を活かしてとか……、そのなかで自分はフィニッシュに関わっていこうと。そういうプレーを徹底してスタイルを変えようと決意しました」
 追い込まれて遂げた変貌。サイドで出場することもあるが、今の主戦場はFWかトップ下で、居心地も良いという。だが、そこにたどり着けたのは悩みながらも自分と向き合ったからこそ。日本で思うような活躍ができなかった理由を尋ねると、こう答えた。「7割はメンタル、2割はサッカーIQ、1割はフィジカルですね」。例えばメンタル。日本でプレーしていた時には常に「足が攣る」恐怖と戦っていたという。

「最初は足が攣っただけ。でも、それが続いたんです。普通の人は気にしないかもしれないし、論外の悩みですが、オレは考えすぎて陰に入った。試合中にトラウマがフラッシュバックして、セーブしてしまうんです。前半とかにドリブルができなくなって、力を出し切れない。そんな時期が3、4年続きました。トラウマを克服しないと上にはいけないのは分かっていて、沼津時代に抜け出せたけど、時間が掛かった」

 サッカーIQに関しては「単純にどのエリアで自分の良さを発揮するか。高校時代のように得点を取るための整理ができていなかった。サッカー脳が悪かったんです(笑)」。16年に名古屋でプレーしたイ・スンヒ氏から現地のサポートを受けてアドバイスなどをもらったことも大きかったが、嫌な自分とも向き合い、取捨選択をし、ピッチで実践、その後はまた自分と向き合い続けた。その地道な作業を繰り返し、今では「自分を言語化できる」と言えるほどに研ぎ澄まされた。ストライカーとしての石田雅俊に、もう迷いはない。
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