【仙台】「もっとゴールに絡みたい」J1初スタメン初ゴールのFW山田寛人が見せる貪欲さ

カテゴリ:Jリーグ

小林健志

2020年07月10日

中断期間中にチーム状況は変わり…

18歳ルーキーGKの小畑裕馬や特別指定選手のDF真瀬拓海など、若手に積極的にチャンスを与えている木山隆之監督。写真:田中研治

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 手薄なFW陣の穴を埋めるための緊急補強で仙台に加入した山田だったが、チームの状況も変わった。負傷していた長沢とA・ゲデスは公式戦中断期間中に復帰。さらにはCSKAモスクワからのレンタル移籍で西村拓真も加入。FW登録は6人と大激戦となったのだ。

 しかし山田は練習が再開されたばかりの5月下旬には「再開後は過密日程になるので、チャンスはあります。自分だけでなく誰が試合に出ても良いように準備したい」と前向きに状況を捉え、日々の練習に取り組んだ。そうした成果もあり、再開初戦の2節湘南戦は後半途中から3トップの右ウイングとして出場し、右サイドからスピードを生かして背後に抜け出すプレーで、存在感を見せた。そして勝ち取ったJ1初スタメンのチャンスで、ゴールという結果を残した。
 
 しかし前半2回あった決定機で決めきれず、前半終了間際浦和DF山中亮輔に振り切られてクロスを入れられ1失点目につながり、最終的には試合に敗れたこともあり、本人は悔しさをあらわにした。

「一言で言えば、ものすごく悔しかったです。J1の舞台で初スタメンで出て、点を決めようという気持ちは誰よりも強かったので、点を決められたのは良かったのですが、自分のプレーはダメなところばかりでもっと精度を上げないといけません」と出てくるのは反省の弁ばかりだった。

「ビビっていたわけではありませんが、思ったより練習と試合で差が出たのが悔しいです。最初裏に抜け出した時、余裕を持ち過ぎてスライディングで止められたところでJ1の凄さを感じました。練習のなかでスピードをもっと上げていければ良いと思いました。ボール一つひとつの受け方もまだまだで、自分のスペースを確保することができていないので、狭い所でも技術を出していきたいです」と細かな部分で改善点を多く口にした。

 それでも抜擢した木山監督は「前半は初めてのJ1のピッチでスタメンということもあって気負いが多かったのですが、後半冷静になってプレーしてくれて良い形で試合に入ってゴールまで行けて良かったです」と山田を評価した。

 今後に向けて山田は「連戦となり、この試合も後半は間延びしたゲーム展開だったので体力勝負になります。前の選手なので交代も激しくなると思いますから、いつ出ても自分の良さを出してもっとゴールに絡みたい」と意欲を見せる。

 どんな状況でも貪欲にゴールを目指す姿勢は、チームに良い影響を与えている。木山監督は山田の他にもGK小畑裕馬や特別指定選手のDF真瀬拓海など積極的に若手にチャンスを与えていることも、山田にとっては追い風だ。浦和戦でのゴールを皮切りに、J1の舞台で大きく飛躍できるか注目だ。

取材・文●小林健志(フリーライター)

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