リスクを冒したチェルシーが勝った昨シーズン。今回は果たして!?

ピンチのチェルシーを救う先制ゴールを挙げたシュールレ(背番号14)。 (C) Getty Images

相手DFのマークにバランスを崩しながらも、執念で決勝点を決めた殊勲のデンバ・バ。 (C) Getty Images
第1戦から6日後、第2戦はスタンフォード・ブリッジで行なわれた。パリSGはイブラヒモビッチが全治4週間の診断を受けて欠場。このこともあり、また2点を奪われなければいいということで、アウェーマッチでは守りに重きを置いた戦法を採ってきた。
対するチェルシーは2-0以上のスコアでの大逆転を狙い、勝ちにいくサッカーを展開。しかし、18分にプランを打ち壊しかねないアクシデントに見舞われる。攻撃の中心であるアザールが負傷での退場を余儀なくされたのだ。代わりにピッチに送りだされたのは、アンドレ・シュールレだった。
危なくなったチェルシー。と思いきや、この“代役”がチームに幸運を運んできた。32分、ロングスローをダビド・ルイスが頭で後方に流したところを、右足のハーフボレーで叩き込んだのである。
あと1点。チェルシーは攻勢を強め、クロスバーを叩く決定的なシュートを2度放つ。それに対し、何とか逃げ切ろうと守るパリSG。展開とスコアが変わらないまま、試合は進んでいく。そして、アウェーチームの思惑通りの結末を迎えようとしていた87分のことだった。
ゴール前の混戦で、ペナルティエリア手前からセサル・アスピリクエタがシュートを放つと、ボールDFに当たって少しコースを変えてゴールに迫る。これに反応したのが、66分から出場していたデンバ・バ。懸命に左足を伸ばしてゴールネットを揺らした。
土壇場でのゴールに、コーナーアークで団子になって喜ぶ選手たち。そこにモウリーニョ監督が駆け寄り、選手を祝福する(残り時間に向けての指示を与えることも忘れなかった)。そして間もなく試合は終了。2戦合計スコア3-3。アウェーゴールの差でチェルシーが逆転での準決勝進出を果たし、スタンフォード・ブリッジの興奮は最高潮に達した。
「プラン通り。リスクを恐れずに戦った選手を誇りに思う」と語るモウリーニョ監督に対し、ブラン監督は「我々が勝ち進んでいてもおかしくなかった。失望している」と、両者の明暗はくっきり分かれた。
あれから、まだ1年も経っていないが、再戦の時は訪れた。これまでの最高成績であるベスト8を今シーズンこそ上回りたいパリSGと、2011-12シーズン以来の欧州制覇を狙うチェルシー。今後のラウンドに向けて勢いをつけたい両チームがこの一戦で演じるのは、リベンジ、返り討ち……いずれのドラマだろうか。
◎チャンピオンズ・リーグにおける対戦成績
2014年4月8日 チェルシー 2-0 パリSG
2014 年4月2日 パリSG 3-1 チェルシー
2004年11月24日 チェルシー 0-0 パリSG
2004年9月14日 パリSG 0-3 チェルシー
※左側がホームチーム
2014年は準々決勝、2004年はグループリーグで対戦
対するチェルシーは2-0以上のスコアでの大逆転を狙い、勝ちにいくサッカーを展開。しかし、18分にプランを打ち壊しかねないアクシデントに見舞われる。攻撃の中心であるアザールが負傷での退場を余儀なくされたのだ。代わりにピッチに送りだされたのは、アンドレ・シュールレだった。
危なくなったチェルシー。と思いきや、この“代役”がチームに幸運を運んできた。32分、ロングスローをダビド・ルイスが頭で後方に流したところを、右足のハーフボレーで叩き込んだのである。
あと1点。チェルシーは攻勢を強め、クロスバーを叩く決定的なシュートを2度放つ。それに対し、何とか逃げ切ろうと守るパリSG。展開とスコアが変わらないまま、試合は進んでいく。そして、アウェーチームの思惑通りの結末を迎えようとしていた87分のことだった。
ゴール前の混戦で、ペナルティエリア手前からセサル・アスピリクエタがシュートを放つと、ボールDFに当たって少しコースを変えてゴールに迫る。これに反応したのが、66分から出場していたデンバ・バ。懸命に左足を伸ばしてゴールネットを揺らした。
土壇場でのゴールに、コーナーアークで団子になって喜ぶ選手たち。そこにモウリーニョ監督が駆け寄り、選手を祝福する(残り時間に向けての指示を与えることも忘れなかった)。そして間もなく試合は終了。2戦合計スコア3-3。アウェーゴールの差でチェルシーが逆転での準決勝進出を果たし、スタンフォード・ブリッジの興奮は最高潮に達した。
「プラン通り。リスクを恐れずに戦った選手を誇りに思う」と語るモウリーニョ監督に対し、ブラン監督は「我々が勝ち進んでいてもおかしくなかった。失望している」と、両者の明暗はくっきり分かれた。
あれから、まだ1年も経っていないが、再戦の時は訪れた。これまでの最高成績であるベスト8を今シーズンこそ上回りたいパリSGと、2011-12シーズン以来の欧州制覇を狙うチェルシー。今後のラウンドに向けて勢いをつけたい両チームがこの一戦で演じるのは、リベンジ、返り討ち……いずれのドラマだろうか。
◎チャンピオンズ・リーグにおける対戦成績
2014年4月8日 チェルシー 2-0 パリSG
2014 年4月2日 パリSG 3-1 チェルシー
2004年11月24日 チェルシー 0-0 パリSG
2004年9月14日 パリSG 0-3 チェルシー
※左側がホームチーム
2014年は準々決勝、2004年はグループリーグで対戦