J１リーグ２節
柏レイソル―FC東京
７月４日（土）／19：00／三協フロンテア柏スタジアム
 
FC東京
今季成績（１節終了時）：３位　勝点３　１勝０分０敗　３得点・１失点

　約4カ月ぶりの中断期間を経ていよいよJ1がリスタートする。昨季を2位で終え、今季に懸ける思いが強いFC東京だが、リーグ初制覇に向けて、その前途にはいくつかの高いハードルが待っている。
 
　まずは過密日程に加え、ＡＣＬの再開が決まれば、それを乗り切るだけの選手層が求められる。試合会場の確保が困難となり、J3からは撤退したが、若手の台頭は不可欠だろう。長谷川健太監督も「練習や短い時間で結果を出さなければいけない。若い選手にはさらなる奮起を求めた」と言う。指揮官の「頭の中にある」というローテーションも含め、2チーム分の戦力が整わなければ、今季の日程でリーグタイトルを勝ち取ることは困難を極めるはずだ。
 
　さらに、人の往来が激しい東京は、他の地域よりも新型コロナウイルスの感染リスクはどうしても高くなってしまう。多くのストレスを抱えながら、このタフな日程を乗り切らなければいけない。長谷川監督も「シーズンを通して、チームのパワーを落とさずにいかに戦い抜くか。それが最終的な順位につながってくる。そういう意味で、できるだけ離脱者を出さないことが大切になる」と口にしている。
 
　そうした高いハードルを突破するために、今中断期間中は4-3-3システムの成熟と、個々のレベルアップをテーマにトレーニングを行なってきた。活動再開後は体作りと並行して戦術をおさらい。練習試合では中盤のカタチを複数テストするなど、新システムの練度を高めることに尽力してきた。リーグ再開後は、選手によって得手不得手があるため、アンカーを置くシステムだけでなく、中盤の底にダブルボランチを配置するカタチとの併用になるかもしれない。

　超過密日程のため、前線のブラジル人トリオに割って入る存在は不可欠。右肩の負傷から復帰した永井謙佑や、すでに切り札として高いパフォーマンスを見せている紺野和也らがそうした役割を担っていくはずだ。
 
　まずは再開初戦の柏戦となるが、指揮官は「現状のベストで挑む」と公言。昨季のJ2で猛威を振るった柏の攻撃力を抑え、取り組んできた新システムの優位性を試合で表現できるかに懸かっている。
 
「サッカーができる喜びと感謝をチーム一丸となって見せること。それが見ているサポーターにパワーを送ることになる。100パーセントの力でやることが一番だと思う」（長谷川監督）
 
　そして、柏戦を皮切りに優勝を争うであろう強豪との試合が続く。初のJ1制覇に弾みをつけるためにも、ここでスタートダッシュを成功させたいところだ。
 
文●馬場康平（フリーライター）