――実際、SPTをはじめとする、GPS機器は高校サッカー界でどこまで浸透しているのでしょうか?
「チーム単位で購入しているのは、SPTで16~17校。他社も含めると、選手権に出場するチームの半分以上は確実に導入していますね」
――現在も問い合わせは増えていますか?
「今年の選手権でSPTを使っていた矢板中央がベスト4に入り、去年は流経大柏が準優勝を果たしたので、多くの方に認識してもらったと思います。コロナ禍でも、多くの問い合わせがありました。
実際に使用してみないと理解できない部分も多いので、まずは私たちがデモンストレーションをさせていただき、SPTに対してより理解を深めてもらいたいです」
――一時期よりも値段は下がっていると思いますが、現状で1台3万9800円、チーム単位での購入となるとハードルは高い気もします。
「もちろん、予算のかかることなので、例えば県立高校などでの導入は難しいかもしれません。また、スポーツを具体化、数値化することを良く思わない人もいるでしょう。しかし、実際にSPTを使い、強豪校が結果を残しているのは事実ですし、このデータは無視できません」
――SPTの正しい使い方、分析マニュアル、戦術への落とし込み方のようなものはあるのですか?
「数字の見方、比較の仕方などはお教えしますが、決まった使い方があるわけではありません。絶対的な指導法がないのと一緒です。選手の個性も違いますし、チーム戦術も違います。試合の映像や試合分析ソフトとも連動しながら、データ・情報をどう活かすのか、指導者自身が探求していく必要があります。
言い方を変えれば、その可能性は無限大。根性論を言わない、数字と情報に明るい若い指導者が増えているので、こちらとしても期待しているところです」
――数字の見方、活かし方は、使う人しだいということですね。
「これもひとつの可能性ですが、数字を意識すること、評価することが一般的になれば、例えばセレクションを受ける時など、その値を成績や表面的なプレー面以外の、新たな指標として示せるかもしれません」
――さまざまな可能性がありそうですが、GPS機器は今後サッカー界をどう発展させていくのでしょう?
「まず、これは私たちの仕事でもありますが、もう少しGPS機器をカジュアルにしていきたい。1台から購入できるので、選手個々で記録するのも良いでしょう。また、監督さんが戦術のキーとなる選手数名につけさせて、試合後の分析に役立てる、という使い方もあるでしょう。
チームでも、個人でもデータを取り続けていると見えてくるものが必ずあります。その情報を上手に活かせば、サッカーはさらにレベルアップすると確信しています」
――継続は力なり、ですね。
「先輩たちが成績や意思だけでなく、数字を残してくれたら、それはたいへんな財産になると思いませんか?記憶は色あせますが、数字はあの時代の、あの試合のものとして永遠に残りますからね」
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