他チームより準備期間が短く、リーグ再開後は過密日程が予想されるだけに、過酷な戦いは続くはず。だからこそ、今季は救済措置として導入される５人交代性も、有効活用したいと指揮官は語る。

「全員が高い競争力を持って、争ってほしい。今回、２人多く交代できるチャンスが与えられたことで、頑張った選手に試合に出られる場所を提供できるのはすごく嬉しいことです。

　ただ選手にもメカニズムを理解してもらいたい。チームを勝利に近づけられる選手が優先的に出場するべきですが、ひとつの試合でできるだけ交代枠をフルに活用する意味では、最後までやり切るのではなくて、かなり疲労がたまっている状態だったら、他の選手が出るということを受け入れたうえで、気持ちを込めてプレーしてもらいたい。逆の立場になることだってあります。できるだけフレッシュな状況で、総力戦で戦っていくんだと、選手も分かってくれると良いかなと思います」
 

　一方で、指揮官とともに、オンライン取材に応じたキャプテンの丸山祐市は「雰囲気はとても良かったですし、良い緊張感のなかでやれたと感じます。久しぶりにボールを蹴れて僕自身も楽しかったです」とこの日の練習を振り返る。

　今後の調整に関しては「マイナスには捉えてないですし、３週間でしっかり準備できると思います」との考えを示し、「焦るかといわれれば、焦ってしまう部分もあるかもしれないですが、なるべく気持ちの部分をしっかりコントロールしたいです」と前を向いた。

　丸山はFC東京時代にフィッカデンティ監督の指導を受けており、昨季途中から就任した指揮官のスタイルが、チームに徐々に浸透していることもポジティブに捉える。

「マッシモ監督は去年の夏以降から（名古屋を）指揮していますし、戦術の部分では、新しく入った選手もたくさんいますけど、０からではなくて、確認作業を詰めていきたいです」

　限られた時間で、怪我のリスクを背負いながら、コンディションを上げ、チームとして強度を高める作業は難易度は高い。ただ今は、金崎、ランゲラックの帰還を待ちながら、チームは前に進んでいく。

取材・文●本田健介（サッカーダイジェスト編集部）

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