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「スペインではサッカーは王様。フランスでは…」欧州5大リーグでリーグ・アンだけが打ち切りとなった背景【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年06月10日

「フランスは実用性に欠ける国と言える」

 象徴的なのは、ブンデスリーガ、セリエA、ラ・リーガとは異なり、LFPの中には政府に対して物申せるトップの人間が不在で、会長さえいないという事実だ。代表機関として取締役会が設置されているが、それが形だけであることを今回図らずも露呈してしまった。

 打ち切りの決定によりリーグ全体で総額6500万ユーロのテレビ放映権料の減収が見込まれている。今後、その分配金を手にすることができなくなったことで、破産に追い込まれるクラブが出てくるかもしれない。

 フランスにおいてサッカーが絶対的なステータスを得ることができない背景について、哲学者でフランス・サッカーを専門とするエッセイストであるティボー・ルプラ氏は「共和主義的な概念に依拠している」と切り出すや、続けてその真意を次のように説明する。

「スペインではサッカーはスポーツの王様だ。しかしフランスでは、王様という言葉を口にするだけで不穏な空気が生まれる。何かを特別視することは、共和制の主義に反することを意味する。フランスでは法の下では誰もが平等という考え方がそれだけ深く浸透している。リーグ戦を再開するために例外を設ける必要があるなら、そこに踏み切ることはしない。その意味ではフランスは実用性に欠ける国と言える」
 
 先日、『Society』誌が、あるアンケートの調査結果を公表した。それによると3分の2のフランス人が、サッカーが再開されなくても構わないと考えているという。5月28日に感染防止対策におけるフェーズ2の規制緩和の概要が発表された。この移行によるプロスポーツの活動再開に伴いサッカー選手も6月2日から練習することが可能となったが、こうした国民の総意にも支えられ、エドゥアルド・フィリップ首相はその場で打ち切りの決定を改めて強調した。

 その後、LFPは、次の簡潔な公式声明を出した。「エドゥアルド・フィリップ首相は、4月28日に表明したシーズンを再開しない方針を見直す考えがないことを確認した。したがって19―20シーズンの再開を再考する余地は残されていない。医療の供給体制には改善の兆しが見えるが、首相が強調したように引き続き慎重に対応する必要がある」

文●ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙)
翻訳:下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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