【広島】兄のゴールにも「なんか、むかつく」。浅野雄也が抱く拓磨へのライバル心

カテゴリ:Jリーグ

中野和也

2020年06月05日

「タクのユニホームを買ってくれたサポーターが、俺のサポになってくれるかも」

兄の拓磨は13~16年まで所属した広島で活躍。リーグでは58試合で12ゴールを決めた。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 今季から兄が飛躍した広島で、雄也はプレーする。背番号29はかつて兄が背負い、G大阪とのチャンピオンシップで優勝を決めるゴールを叩き込んだ時の番号である。この番号に決まった時、当初は「最悪や」と雄也は思っていた。

 しかし、すぐに切り替えるポジティブシンキングは、兄以上かもしれない。「タクのユニホームを買ってくれたサポーターが、俺のサポになってくれるかも」。こういうことをスラッと口に出せるメンタルは、プロとして大きな武器となる。

 ルヴァンカップの横浜FC戦では左サイドで強烈な突破から見事なクロスを供給し、レアンドロ・ペレイラの決定的なシュートを導いた。緊急事態宣言前のトレーニングマッチ・鳥取戦でも、1得点1アシストと存在をアピール。

 左ワイドとシャドー、どちらでもプレーできるユーティリティ性は、過密日程と1試合5人交代制の今季の戦いには間違いなくメリット。スピードと左足という明確な武器を持つ浅野には、大きなチャンスが待っているはずだ。

「どこでプレーしても、攻撃で結果を出したいし、守備もハードワークしていきたい。ゴールを決めてヒーローになりたいんですけど、それもチームのために頑張って初めて、ゴールにもつながっていく。広島のエンブレムを見ると鳥肌が立つし、このチームの一員だと自覚してプレーしたい」
 
 2024年、広島には新スタジアムが開業する予定だ。その時には雄也がチーム屈指のチャンスメイカーとして君臨し、欧州で結果を残した拓磨が凱旋復帰して弟のラストパスをゴールする。新スタジアムで浅野兄弟が火花を散らしながら紫のサポーターの熱狂を誘う。そんな姿をずっと、夢見ている。

取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)

【PHOTO】サンフレッチェ広島の歴史を彩った名手たちと歴代ユニホームを厳選ショットで一挙紹介!
【関連記事】
酒好きで破天荒な久保竜彦が、日本代表への扉を開いた“変化のきっかけ”【広島|番記者回顧録】
「森保はずっと、監督候補だった」。広島をJ1初優勝に導いた指揮官の就任秘話
「僕が受けなければサンフレッチェの火が消える」――経営危機のクラブ救った決断の舞台裏【広島|久保会長インタビュー前編】
育成型クラブ構築の真相。駒野、槙野、柏木…代表戦士を輩出できたワケ【広島|久保会長インタビュー中編】
「絶対にこれは譲れん」。2024年開業予定、新スタジアムの夢構想【広島|久保会長インタビュー後編】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2026年1月号
    12月12日(金)発売
    [特集]
    9年ぶりのJリーグ制覇
    鹿島アントラーズ
    鬼木体制で果たした「王座への帰還」
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2025年12月18日号
    12月4日(木)発売
    [特集]
    25-26 欧州リーグ前半戦レビュー
    冬の通信簿
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 第104回大会 選手名鑑
    12月10日発売
    高校サッカーダイジェストVol.43
    第104回全国高校サッカー選手権大会
    選手権名鑑
    出場48チーム
    1440選手の顔写真&プロフィールを徹底網羅!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ