アギーレ 国際舞台への扉は閉ざされるも、メキシコ国内の評価は揺るぎない

カテゴリ:日本代表

アルマンド・ネリア

2015年02月06日

国民は決して「英雄」を見捨てたりはしない。

南アフリカW杯で対戦したアルゼンチン代表のマラドーナ監督(当時)と健闘を称え合うアギーレ(右)。ただ、今回の一件で国際舞台で活躍する機会は絶たれたとネリア記者は語る。 (C) Getty Images

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 メキシコのサッカー関係者もアギーレを依然高く評価している。クラブ・アメリカも、グアダラハラも、クルス・アスルも、いつでも喜んでアギーレを監督として迎え入れるだろう。現職の監督をクビにしてまでも、だ。
 
 パチューカとクラブ・レオンの両クラブを保有するパチューカ・グループとアギーレは良好な関係を築いており、この2クラブは有力な新天地候補だ。
 
 メキシコ国内でのアギーレのステータスを絶対的にしたのが、昨年11月のサッカー殿堂入りだ。引退後ではなく、56歳の現役監督として殿堂入りを果たしたのは異例であり、文字通りの快挙だった。
 
 異例の殿堂入りに異を唱える声は皆無で、むしろアギーレという優秀な監督が異国の代表チームを率いている現状を嘆き、一刻も早い母国帰還を願う声が圧倒的だった。
 
 日本代表監督という仕事は、アギーレにとって大きな挑戦だった。そのポストを志半ばで離れなければならなかったのは、本人には痛恨の極みだろう。解任で負った傷は永遠に消えることはないし、メキシコの国家イメージを傷つけたかもしれない。
 
 しかし、メキシコ国民の見方はそうではない。現状にあぐらをかかず、つねに新たなチャレンジに向かうアギーレを称賛する声は後を絶たない。失敗を恐れないチャレンジ精神を称える国民性が根底にあるからだ。
 
 国外で成功を重ね、実績を残してきたアギーレはメキシコ国民にとって英雄なのだ。国民は決して母国の英雄を見捨てたりはしない。
 
 残念ながら、アギーレが国際的に名誉を挽回するには困難を極めるだろう。国外での挑戦は不本意にも終わりを告げた。これからは、崇拝を受ける母国メキシコに戻り、何らかの形でサッカーに携わっていくことになるはずだ。
 
文:アルマンド・ネリア
翻訳:下村正幸
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