R・マドリーが逆転でリーガを制する可能性は…
ただ、上積みの大きさで言えば、マドリーのほうだろう。
今シーズンの補強の目玉でありながら、故障を繰り返し、サポーターの期待を裏切ってきたアザールだが、ここからの1か月で評価を劇的に高める可能性はある。実際、シーズン前半戦では瞬間風速とはいえ、手の付けられないパフォーマンスを披露していた時期もあった。2月末に負った右足腓骨の亀裂骨折も癒え、すでに全体練習に復帰。コンディションさえ万全ならば、前線に大きな違いをもたらしてくれるはずだ。
さらに、アセンシオも戻ってくる。今シーズン、彼をチーム編成の軸に据えるつもりだったジネディーヌ・ジダン監督にしてみれば、まさに待ち望んだ人材であろう。
昨年7月23日のプレシーズンマッチで、左膝前十字靭帯断裂および外側半月板損傷という重傷を負い、今シーズン絶望と言われていたアセンシオもまた、新型コロナウイルスによって回復のための時間を得たひとりだ。
中盤のフェデリコ・バルベルデとともにマドリーの未来を担うべき逸材ではあるが、天才肌ゆえにときにプレーが淡白で、好不調の波も激しかったアセンシオ。しかし、キャリア最大の試練と言っていい今回の長期離脱と辛いリハビリを経て、精神的な強さを手に入れたに違いない。
「ここからは生死をかけた試合が続く。残り試合のすべてに勝つための努力をするつもりだ」
その力強いコメントに、完全復活に向けた意欲がにじみ出る。
今シーズンの補強の目玉でありながら、故障を繰り返し、サポーターの期待を裏切ってきたアザールだが、ここからの1か月で評価を劇的に高める可能性はある。実際、シーズン前半戦では瞬間風速とはいえ、手の付けられないパフォーマンスを披露していた時期もあった。2月末に負った右足腓骨の亀裂骨折も癒え、すでに全体練習に復帰。コンディションさえ万全ならば、前線に大きな違いをもたらしてくれるはずだ。
さらに、アセンシオも戻ってくる。今シーズン、彼をチーム編成の軸に据えるつもりだったジネディーヌ・ジダン監督にしてみれば、まさに待ち望んだ人材であろう。
昨年7月23日のプレシーズンマッチで、左膝前十字靭帯断裂および外側半月板損傷という重傷を負い、今シーズン絶望と言われていたアセンシオもまた、新型コロナウイルスによって回復のための時間を得たひとりだ。
中盤のフェデリコ・バルベルデとともにマドリーの未来を担うべき逸材ではあるが、天才肌ゆえにときにプレーが淡白で、好不調の波も激しかったアセンシオ。しかし、キャリア最大の試練と言っていい今回の長期離脱と辛いリハビリを経て、精神的な強さを手に入れたに違いない。
「ここからは生死をかけた試合が続く。残り試合のすべてに勝つための努力をするつもりだ」
その力強いコメントに、完全復活に向けた意欲がにじみ出る。
アザールとアセンシオが戦列に戻れば、年明け以降、突如としてゴール欠乏症に陥ったカリム・ベンゼマの復調も後押ししてくれるだろう。想定されるのは、中央にベンゼマ、左にアザール、右にアセンシオの3トップだ。
さらに、決定力不足という弱点を克服しつつあるヴィニシウス・ジュニオールや、傑出したドリブラーでありながらフィニッシャーとしても優秀なロドリゴ、そして問題児ではあれ、勝負所を知り尽くすガレス・ベイルなど、前線に役者はそろっている。少しずつ存在感を増していたルカ・ヨビッチの負傷離脱は残念とはいえ、それでもファイナルサードの攻略に課題を残した中断前までとは、ひと味違うマドリーが見られそうだ。
守備の安定感(ここまでバルサの31失点に対して、マドリーはリーグ最少の19失点)、クラシコに勝ち越している事実(1勝1分け/勝点で並んだ場合、直接対決の結果が優先される)、さらにジダンの神通力(大一番での強さと卓越したマネジメント能力)を加味すれば、マドリーが逆転でリーガを制する可能性は大いにある。
そして言うまでもなく、覇権の行方を占う上で重要なポイントとなるのが、再開初戦。ここで勝利してラストスパートに勢いをつけられるかどうかだが、バルサはアウェーで18位マジョルカ(6月13日)と、マドリーはホームで16位エイバル(6月14日)と対戦する。いずれも降格の危機に瀕し、そしてともに久保建英、乾貴士という日本人プレーヤーを擁するチームだ。
今やマジョルカになくてはならない存在となった久保、毎シーズンのように後半戦で大きな仕事をやってのける乾のゴールが、あるいは今シーズンの結末を左右するかもしれない。
文●吉田治良(スポーツライター)
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さらに、決定力不足という弱点を克服しつつあるヴィニシウス・ジュニオールや、傑出したドリブラーでありながらフィニッシャーとしても優秀なロドリゴ、そして問題児ではあれ、勝負所を知り尽くすガレス・ベイルなど、前線に役者はそろっている。少しずつ存在感を増していたルカ・ヨビッチの負傷離脱は残念とはいえ、それでもファイナルサードの攻略に課題を残した中断前までとは、ひと味違うマドリーが見られそうだ。
守備の安定感(ここまでバルサの31失点に対して、マドリーはリーグ最少の19失点)、クラシコに勝ち越している事実(1勝1分け/勝点で並んだ場合、直接対決の結果が優先される)、さらにジダンの神通力(大一番での強さと卓越したマネジメント能力)を加味すれば、マドリーが逆転でリーガを制する可能性は大いにある。
そして言うまでもなく、覇権の行方を占う上で重要なポイントとなるのが、再開初戦。ここで勝利してラストスパートに勢いをつけられるかどうかだが、バルサはアウェーで18位マジョルカ(6月13日)と、マドリーはホームで16位エイバル(6月14日)と対戦する。いずれも降格の危機に瀕し、そしてともに久保建英、乾貴士という日本人プレーヤーを擁するチームだ。
今やマジョルカになくてはならない存在となった久保、毎シーズンのように後半戦で大きな仕事をやってのける乾のゴールが、あるいは今シーズンの結末を左右するかもしれない。
文●吉田治良(スポーツライター)
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