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【担当記者コラム】プロフェッショナルを植え付けた“三浦体制”。北九州が迎えた大きな転換期

カテゴリ:Jリーグ

上田真之介

2020年05月10日

小林監督の下、攻撃的なサッカーへ回帰

小林監督の下、昨季はJ3を制覇。今季は再びJ2に挑む。(C)SOCCER DIGEST

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 11年は戦前の予想を覆す8位でシーズンを閉じ、12年は順位こそ前年を上回れなかったが、今でもクラブ最多タイとなっている年間19勝を挙げた。宿敵の福岡から4点を挙げる快勝もあり、常盤聡がバク宙を披露したのも北九州サポーターに深く刻まれる思い出になっているだろう。

「選手たちが非常に純粋で、誠実だった。そしてやる気もあった。だから成長してもおかしくない。お互いに非常にいい仕事ができた。私だけの情熱でもこうはならないし、彼らが思うモチベーションだけでもそうはならなかった。お互いが前向きに向き合って過ぎた日々がこういう成長を生んだ」

 12年の最終戦後に三浦監督が、こう2年間を振り返ったように、この時代に覚醒した選手は多い。清水からのレンタルでプレーした竹内涼(12年に所属)は初めてJリーグでの通年出場を果たし、今では清水でキャプテンを務める。高卒ルーキーだった渡大生は高い決定力を見せ、現在は大分へ。池元友樹(北九州)は35歳になった今も現役でプレーする。11年と12年に三浦監督からキャプテンに指名された木村祐志(水戸)は持ち味を開花させ、13年はJ1大分でもプレーした。
 当時の北九州を熱狂させたサッカー。だが、三浦監督が退くとスタイルは一変する。前のめりに攻める分だけ、カウンターにはファウルで対応せざるを得ず、警告数は増加していった。その負の側面ばかりがクローズアップされ、13年以降はフェアプレーという言葉が一時代を否定するかのような勢いで独り歩きするようになる。

 ただ、北九州でピッチとスタンドをひとつに束ねるのは、やはり得点を重ねていくサッカーだ。北九州は昨年、体制を一新。小林伸二監督や天野賢一コーチを始めとする首脳陣は積極果敢な攻撃的なサッカーを貫いた。カテゴリーが違うとはいえ、ゴール前にボールを運ぶ局面が多く、一体感のあるサッカーは三浦監督時代を想起させる。池元は全ての試合に出場を果たし、文字通りに躍動した。

 今年のサッカーダイジェスト2月27日号の誌上で恒例の順位予想企画が行なわれ、多くの解説者が北九州を22チーム中、19位前後に置いた。やはり下馬評は低い。しかし、たった一人、三浦元監督は北九州を6位に予想した。選手が育ち、サポーターが見とれる「北九州のサッカースタイル」。時を経て蘇りつつある熱いサッカーは、再びリーグを席巻するかもしれない。

取材・文●上田真之介(フリーライター)
 
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