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【黄金の記憶】本山雅志と東福岡~雪の決勝でなぜ彼らは、伝説の“3冠”を達成できたのか

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年05月07日

最初の選手権で命じられた“俊輔へのマンマーク”

1996年1月、高校1年生で臨んだ選手権。1回戦で桐光学園と対峙した。(C)SOCCER DIGEST

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 ルーキーイヤーで迎えた選手権。県予選でアンカーのコツを掴んでいた本山は、本大会が開幕する頃には、東福岡に欠かせない主軸となっていた。
 
 1回戦で激突したのが、2年生の天才司令塔、中村俊輔を擁する桐光学園。抽選会で対戦が決まってから、本山にはひとつのタスクが与えられていた。思いもよらない、マンマークである。
 
「俊さんがすごい選手だってのはなんとなく知ってたけど、そこまで詳しいわけじゃなかった。で、試合ではマンマークで付けと志波先生に言われて、いいか、どこまでも付いていけと。めっちゃ走りましたよ、あの試合は。左を切って右に追い込んでいけばいいとか、右足でほとんどプレーしないとか、事前のスカウティングはそんな感じだったけど、とんでもない話で。

さっと僕が左を切るじゃないですか。前にも味方がいるから大丈夫だろうって安心してたら、あっさり逆を取られて、『あー! それだけはやめてー!』って(笑)。サイドに流れても簡単に切り返して右足でセンタリングとか上げてたし、ぜんぜんスカウティングと違うんですけど!って。ただそう思いながらも、すんげー楽しかったんですよ。巧いですから、俊さんは。それを目の前で見れて本当に面白かった。まあ、自分が勝利に貢献できたかどうかは怪しいんですけどね」

 
 2回戦で作陽を、3回戦で近大付を破り、準々決勝では前年度覇者の市立船橋をPK戦の末に下した。筆者はこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに本山を選んでいる。式田高義や砂川誠、城定信次ら高校サッカー界のスターを擁する市船の中盤と、攻守両面で堂々と渡り合っていたからだ。しかし続く準決勝で静岡学園の後塵を拝し、ヒガシの快進撃は終わった。
 
「なんだろ、毎試合毎試合、志波先生が僕のやることを明確にしてくれるんで、すごくやりやすかったです。自分は自分で、こうサポートしたほうが前の選手が助かるんじゃないかといろいろ考えたり、探ったりしながらやってましたね。あんな風に頭を悩ませながらプレーしたのは、後にも先にもあの大会だけかもしれない。基本が大事なんだって再確認できたんです。どうすればゲームが流れていくのかが、ボランチをやってみてよく分かった。あれは本当に大きな経験だったし、のちのちの自分のプレーにもすごく活かされましたね。

 いちばん覚えてるのは……やっぱり市船戦かな。最後のPKキッカーが僕で、決めて勝ったのをよく覚えてます。静学に負けたのってPK戦でしたっけ? これがあんまり思い出せないんですよねぇ」
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