【黄金の記憶】ガンバ最強助っ人はいったい誰か。遠藤保仁の回答が超意外だった

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年05月04日

「俺が守ってやるから好きにしろって」

2002年シーズンに1年だけ在籍したファビーニョ。ガンバ退団後もフラメンゴやフルミネンセなどブラジルの名門を渡り歩いた実力派だ。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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 ヤットの回答は、実に簡単明瞭だった。

「あんましみんな覚えてないかもしれんけど、俺的にはファビーニョ。まさにね、ザ・ブラジル人ボランチ。ボールをガンガン狩れるし、とにかく無駄がなくて、ミスが少ないうえに、シンプルなことしかしない。で、ボールを奪ったら速攻でボールをくれる。プレーが分かりやすくて正確だから、一緒にダブルボランチを組んでてすごくやりやすかった。このタイミングで渡すの? とか、まったくなかったからね」

 2001年シーズン、京都サンガから移籍してきた遠藤の相棒は、稲本潤一だった。強力デュオを形成してすぐさまチームの屋台骨となったが、イナは半年でアーセナルへと旅立ち、シーズン後半はベストパートナー不在のまま、悪戦苦闘を余儀なくされた。

 翌シーズンに西野朗政権が発足し、入団してきたのが守備職人のファビーニョだ。完全な汗かき役として振る舞い、遠藤の攻撃性能を最大限に引き出した。

 
 ガンバがいよいよヤットのチームになる、その礎を築いたのが2002年シーズン。本人は口にしなかったものの、言うなればファビーニョは“恩人”なのである。
 
「俺が守ってやるから好きにしろって感じやったね。思い切り自由にプレーさせてもらった。かなり意外でしょうけど、俺にとってはファビーニョが一番。まるで10番っぽくなかったけどね(笑)」
 
 わずか1シーズンの在籍ながら、2005年シーズンに記録にも記憶にも残る鮮烈な活躍を見せたアラウージョのように、遠藤にとってファビーニョは、万博に1年だけ舞い降りた天使だったのかもしれない。

文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

※2017年5月掲載分より抜粋、再編集。

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