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【番記者コラム】 “王国・清水”のプライドが砕かれたJ2降格。二度と同じ過ちを起こさないために――

カテゴリ:Jリーグ

前島芳雄

2020年05月01日

大榎監督監督でさえ、劇的な効果をもたらせず

11年から14年の7月まで指揮を執ったゴトビ監督。12年にはナビスコカップで準優勝したが……(C)SOCCER DIGEST

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 ショートカウンターを志向していた長谷川監督の後任は、ポゼッションを標榜するアフシン・ゴトビ監督。メンバーも戦術も大幅に変わり、6年間で築き上げた長谷川監督の財産はほとんど継承されず。ある強化関係者は「それまで時間をかけて培ってきたものを、後輩たちに伝える選手がいなくなったのが痛かった」と当時を振り返った。

 小野伸二や高原直泰といったカリスマの存在や、大前元紀、河井陽介の台頭もあって、11年は10位、12年と13年はともに9位という順位を保ち、12年にはナビスコカップで準優勝を果たした。だが、ゴトビ監督は個々を成長させるという面では期待通りの成果を挙げられず。指揮官への求心力も弱まり、チーム力は徐々に低下していった。

 にもかかわらず契約が延長され、14年のゴトビ体制4年目は序盤から低迷。17節終了時点でゴトビ監督を更迭し、後任にユースの監督を務めていた大榎克己氏を据えた。しかし、長谷川監督とともに「清水東三羽ガラス」と評され、クラブのレジェンドだった大榎監督でさえ、カンフル剤にはなれず。最終節になんとか残留を手繰り寄せるのが精一杯だった。
 
 そして大榎監督が続投した15年も明確な「清水らしい」サッカーを形にできず、ファーストステージは最下位。セカンドステージの6節から田坂和昭ヘッドコーチを監督へ据えたが、3節を残して初のJ2降格が決まった。

 J2降格に到るまでにふたつの失策があったと考えている。ひとつは10年末の大幅な戦力喪失。もうひとつはゴトビ政権を3年半も引っ張ったことだ。背景にあったのは、サッカー王国の「油断」――静岡・清水のチームがJ2に落ちるはずがないという緩みではないか。

 その真偽は別として、初のJ2降格で「サッカー王国・静岡」のプライドがかなり失われたことは間違いない。長谷川監督が一時代を築いたように「清水愛が強いレジェンド(大榎監督)に監督を託せば、なんとかしてくれる」という期待も打ち砕かれた。
 
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