「途中交代16回はリーグ2番目」香川真司はなぜ輝きを失ったのか? スペイン人記者に訊く

カテゴリ:海外日本人

アレハンドロ・アロージョ

2020年04月29日

4-2-3-1へのシステム変更で割りを食った

シーズン途中にプアドが加入して以降、香川の序列は明らかに下がっている。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 チーム戦術が開幕後に見直されたことも、香川のパフォーマンス低下を招いている要因のひとつだ。相手チームの対策が進み中央の守りを固められると、深く下がってボールを受ける頻度が増えた。ただ、この日本人MFはそもそもエリア近くでプレーしてからこそ本領を発揮する選手だ。ドルトムントに移籍した当初からそうで、ましてやフィジカルで勝負することが難しくなった今、“持ち場”を離れると、自ずと存在感が希薄になってしまう。

 さらに追い打ちをかけたのが、ラファエル・ドゥワメナの戦線離脱だ。開幕当初、指揮官は4-3-1-2システムを採用し、香川はダイヤモンド型の中盤の頂点に配置した。背後を中盤3枚がカバーし、前方にFW2枚が構え、両脇からは左右サイドバックが積極的にオーバーラップ。バイタルエリアを縄張りにする香川にとってまさに理想の環境で、その中で貴重な役割を果たしていたのがルイス・スアレスとともに2トップを形成していたドゥワメナだった。

 自慢のフィジカルを活かして前線で張り潰れ役になることで、ルイス・スアレスをフィニッシュに専念させ、香川も広範囲に動き回ることなく時間とスペースを確保しながら2ライン間で攻撃を牽引できたのだ。しかし、その重要なパートナーが心臓に疾患を患い10月上旬に戦線を離脱してしまった。
 
 クラブは特別措置で代役としてエスパニョールからハビ・プアドを獲得したが、彼もまたトップ下を本職とする選手だ。V・フェルナンデス監督は、香川と異なりフィジカルが強く、プレーエリアも広いこのスペイン人MFの加入を境にシステムを4-2-3-1に変更し、トップ下にそのニューフェイスを起用した。

 その割を食ったのが他でもない香川であり、途中出場した試合でも左サイドで起用されることが増加。しかし、左SBをサポートするためにトップ下以上に守備面でも高い貢献が求められるこのポジションは、現状の香川に適性があるとはいえず、自ずと攻撃面での活躍の機会も限られている。
 
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