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現実味を帯びるカバーニのサンパウロ移籍。ウルグアイ代表の“元ルームメイト”が提示した「プライスレスな条件」とは?【現地発】

カテゴリ:移籍情報

リカルド・セティオン

2020年04月25日

ルガーノとカバーニは何度も交渉を重ねている

ウルグアイ代表の戦友ルガーノ(左)がカバーニの獲得に動いている。(C) Getty Images

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 ルガーノはカバーニに非常に興味深い条件を提示したという。「ウルグアイには好きな時に帰っていい」というものだ。サンパウロからモンテビデオまでは飛行機でたったの2時間半だ。給料は少なくなるが、物価はパリよりずっと安いし、ヨーロッパよりプレッシャーの少ない環境で落ち着いてプレーできる。そして、フトントに盟友ルガーノがいれば、いろいろ便宜は図ってもらえるだろう。

 もちろんレギュラーは確約されているし、アレッシャンドレ・パットとコンビを組んで、D・アウベスやファンフランとともにプレーできる。故郷の近いことは、2022年のワールドカップ予選を考えても有利に働く。こうしたことが、カバーニがサンパウロ行きを選択肢に加える要因となった。

「アトレティコでもニューカッスルでも、カバーニは大きなプレッシャーがかかるだろうし、怪我の危険性も高い。33歳になった彼はそれをよく理解している。ブラジルの名門でプレーすれば、リベルタドーレスでもプレーできるし、故郷のそばにもいられる。年俸は下がっても、検討する価値はあるはずだ」

 ルガーノはさらにこう続ける。

「アメリカやカタールに行けば、確かにもっと高給をもらえるだろう。しかしサッカーの世界から忘れられてしまう。サンパウロはそれなりの報酬と落ち着いた環境を彼に与えられる、世界で唯一のチームなんだ」

 ルガーノは今から10日ほど前に、金額を含めたこの条件を伝えたというが、いまだカバーニは「NO」とは言っていない。現時点ではサンパウロに興味を示しているようで、すでに話し合いを何度か重ねているようだ。

 カバーニとルガーノは代表で10年以上もともにプレーし、合宿中はルームメイトでもあった。南米の選手は特有のハートを持っている。彼らにとって友情と愛国心は、時になによりも重要なものとなるのだ。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
 
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