現状の立ち位置は「ボーダーライン上」
ピピの場合は、クラブ関係者がその将来性を評価していることを踏まえると残留の線が有力だが、太鼓判を押すこともできない。現時点で、退団が濃厚な選手は5、6人。一方、来シーズンのBチームかAチームへの昇格が確約されている選手は10人前後。中井の位置づけは、その間の5、6人が属するボーダーライン上だ。
ただ仮に来シーズン、他のクラブに出て行くことになったとしても、悲観する必要はない。マドリーのカンテラでは退団する選手であっても、新天地でブレイクした場合に備えて、業務提携を結ぶマドリード州のクラブにレンタルの形でプレーさせるのが常で、その際に呼び戻すことができるオプションを保持する。
過去にもそうした経路を辿って第一線で活躍した選手が何人かいる。近年の代表例がマルコス・アロンソだろう。彼はカンテラ時代に二度に渡りふるい落とされた経験があるが、レンタル先のアダルベでのパフォーマンスが評価されて復帰を果たし、1試合ながらトップチームでプレーした経験もある。その後、ボルトンやフィオレンティーナを経由し、16年夏にプレミアの強豪チェルシーに移籍し、左SBとして活躍を見せてきた。
ピピが現在、プロの世界に足を踏み入れるかどうかの重要な時期に差し掛かっているのは間違いないし、その1年目に期待通りの成長を見せることができていないのも事実だ。ただ、短期間のうちに見違えるような変貌を遂げるのもこの年代の選手の特徴である。将来、マドリー、あるいはラ・リーガでプレーする夢を実現するには一層の奮起が必須だが、巻き返しのチャンスはまだまだ残されている。
取材・文●セルヒオ・サントス・チョサス(アス紙マドリー番)
翻訳●下村正幸
ただ仮に来シーズン、他のクラブに出て行くことになったとしても、悲観する必要はない。マドリーのカンテラでは退団する選手であっても、新天地でブレイクした場合に備えて、業務提携を結ぶマドリード州のクラブにレンタルの形でプレーさせるのが常で、その際に呼び戻すことができるオプションを保持する。
過去にもそうした経路を辿って第一線で活躍した選手が何人かいる。近年の代表例がマルコス・アロンソだろう。彼はカンテラ時代に二度に渡りふるい落とされた経験があるが、レンタル先のアダルベでのパフォーマンスが評価されて復帰を果たし、1試合ながらトップチームでプレーした経験もある。その後、ボルトンやフィオレンティーナを経由し、16年夏にプレミアの強豪チェルシーに移籍し、左SBとして活躍を見せてきた。
ピピが現在、プロの世界に足を踏み入れるかどうかの重要な時期に差し掛かっているのは間違いないし、その1年目に期待通りの成長を見せることができていないのも事実だ。ただ、短期間のうちに見違えるような変貌を遂げるのもこの年代の選手の特徴である。将来、マドリー、あるいはラ・リーガでプレーする夢を実現するには一層の奮起が必須だが、巻き返しのチャンスはまだまだ残されている。
取材・文●セルヒオ・サントス・チョサス(アス紙マドリー番)
翻訳●下村正幸