森下が見せた“急成長”の可能性
「強豪である川崎さんをやっつけてやろうと思ったんですけど、歯が立たなかった。“止める、蹴る、見る”。僕たちが見せられたのは、際で守る我慢強さ。彼らと違ったのは攻撃のこの3つのポイント。今日の試合は良かったよね、というだけでは片付けられない差があったのかなと。そこはやりながらですけど必ず成長しなければいけないなと」
持ち味であるスピードある突破という攻撃でのストロングを出せず、守備に回らざるをえなかったことで自身とチームの立ち位置を改めて痛感した。しかし「ここの経験を糧にして、次の駅スタで戦うときには違う姿を見せたい」と、悔しさを含みながらも前向きに言う。その口調には力強さもあり、ある種の清々しさもあった。彼が口にした通り、本当に歯が立たなければ、こういったプラスの言葉も出てこない。もちろん差は感じつつも、無失点という結果から得られた手応えも決して小さくはなかったことが想像できる。
「ここからは課題を克服していく、前向きなトライをしていく時期。次は絶対に負けたくないですし、駅スタは不落の要塞にしたいですね(笑)」
そう笑いながらリベンジを誓ったが、場数を重ねることで彼は周囲が予想だにせぬ速さで成長するかもしれない。五輪世代の日本代表にも選ばれてきた三笘や旗手は、大学時代は特別な存在だったが、この日のような足踏みをしていれば、森下のような“後発”の大卒組に立場を脅かされる可能性がある。
“同期”たちがプロ入りして横一線に並んだ今だからこそ、彼らが東京五輪への切符を掴むためには、より際立った結果を出すことが求められてくる。
取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)
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