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リーガで3位と大躍進!“雑草軍団”ヘタフェの強さの秘密――なぜパス本数がリーグ最低でも勝てるのか?【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年02月15日

バルサのパスサッカーとは対極。共通点を挙げるなら…

ヘタフェを躍進に導いているのがこのボルダラス監督。ELとの二足の草鞋を履きながら、リーガで3位と大健闘だ。(C) Getty Images

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 ラ・リーガのなかで最も高くDFラインを設定し(40メートル)、DFラインと前線の距離を最もコンパクトに保ち(38メートル)、最もロングボールを多用し、パス本数が最も少なく(ワンプレー当たり3.2本)、自陣深くまで侵入される頻度が最も少なく、そして最もファールが多い(1試合平均18.9)チーム――。

 冒頭で触れたようにヘタフェの質実剛健なプレースタイルは様々なデータが実証する。

 ボルダラスは、フィジカルコンタクトと戦術遂行力をベースとした相手を窒息させるようなプレスが近い将来の戦術のトレンドになると考えている。ヘタフェで実現しているフットボールはまさにその格好のモデルであり、しかもそれをチーム全員に共有させることで何事にも左右されないメンタルタフネスに転化させ、容赦なく相手のミスに漬け込む強さを生んでいる。

 ヨハン・クライフのバルセロナ監督誕生を境にパスサッカーが長くラ・リーガの主流を占めてきたが、見栄えとは無縁の、徹底して効率性を追求するボルダラスのフィロソフィーはその対局に位置する。しかし両者に共通点があるとすれば、それは自らが標榜するアイデアへの強いこだわりであろう。
 
 時には熱病的ともいえるほどで、クライフがそうだったようにボルダラスもその信じる力を見事にチームに還元。その結果がピッチ上で見せる狂信的と言ってもいい選手たちのコンプロミソ(スペイン語で義務や責任の意味)だ。

 ヘタフェのプレースタイルには賛否があるのは確かだ。しかしこれだけ話題になっているのは、雑草軍団の快進撃が衆目を集め始めている何よりの証である。

文●サンティアゴ・セグロラ(エル・パイス紙)
翻訳:下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙に掲載されたバルダーノ氏のコラムを翻訳配信しています。
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