名門・市立船橋の元指揮官が新天地のジェフ千葉U-18で感じた高体連とJユースの違いとは?

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2019年12月26日

「苦しみも当然あったし、きつかったけど、自分が成長できたことで、気付きもあった」

U-18日本代表にも選出される櫻川(9番)。朝岡監督は選手たちに懸命に向き合うことで変化を見ることもできたと感じている。写真:松尾祐希

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「一番苦労したのは、環境の違い。それを望んでクラブにお世話になったけど、自分をアジャストさせることが大変だった」

 同じ高校生の指導と言っても、高体連とJユースでは畑が異なる。前者は学校教育の延長にあるが、後者はプロで活躍する選手の育成を最大のミッションとする。加えて、重要視されるのはクラブのスタイル。高校であれば、監督が方向性を定められるが、育成組織ではアカデミーダイレクターやトップチームのスタンスを汲み取りながら、組織を作っていく必要がある。その違いに最初は戸惑った。

 それでも、朝岡監督はチームのために奔走。クラブに支えられながら、選手たちに普段の振る舞いなども含めて、懸命に向き合った。U-18日本代表で来季からトップチーム昇格が決まっている櫻川ソロモンに対しても、伝えるべきことは口が酸っぱくなるほど伝えたという。

「彼にはポテンシャルがある。できないこともまだまだ多いけど、そこに対してどう向き合うか。彼を見始めてまだ半年ちょっとだけど、サッカーに対する向き合い方とか姿勢は常に言ってきた。昔だったら、味方に文句を言ったりし、ものに当たったり、言い訳を作るようなこともあったけど、彼も向き合うようになったからプレーも変わってきた。そういうアプローチは彼だけではなく、チーム全体にできたかなと思う」

 まだまだ精神的には未熟だが、ソロモンは大人の階段を登りつつある。これも朝岡監督が取り組んだ成果の一つだろう。

 迎える2年目。5月から指揮を執った今季とは異なり、シーズン頭から指導に当たれるし、1年目に培った経験値の蓄積もある。「自分自身は本当に成長をさせてもらった。苦しみも当然あったし、きつかったけど、自分が成長できたことで、気付きもあった」とは朝岡監督の言葉。高体連で一時代を築いた名将は、勝負にこだわりながらもトップチームで通用する選手を育てるために情熱を絶やさない。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)
 
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