若い頃とは違う武器もできた。現在のザンクトパウリでは、右MFで起用されることが多いのだが、ヨフ・ルフカイ監督からは、「リョウのところで１対１を作れるようにしろ」と崩しの急先鋒となることが求められている。そういったチーム戦術もあり、１対１で仕掛けるシーンも増えたが、「それでこそ僕だと思う」とすっかり自信をつけている。

　自然とプレー時間は増えたし、ルフカイからの信頼も厚い。その分見ている側としては怪我の心配がよぎるが、「大丈夫、もう怪我はしないと思いますよ」と笑い飛ばす。
　
　森安ジャパンでは、伊東純也（26歳）や浅野拓磨（25歳）といった快足アタッカーが定着し、活躍を見せている。若い頃から注目されてきたため、意外に思われるかもしれないが、宮市も同世代なのだ。怪我を経て一皮剥けた快足ウインガーが、代表のポジション争いに殴り込みをかける日がきてもおかしくはない。

　宮市本人も、もちろん前向きだ。

「代表ですか？ 呼ばれれば当然行きたいです！ ぜひ書いておいてください」

取材・文●了戒美子