「また冬に新しいCBを獲られたらたまらない」
「途中から入って無難にこなせる術を覚えた。経験から学んだ。昨シーズンはアピールしようとして空回りすることが多かった」
吉田は久しぶりの出場試合を振り返り、自虐的に笑ったが、たしかに1年前とは異なり、肩肘張らずにリラックスしてプレーができている。自分の置かれた立場を理解しながらも、気持ちに余裕がある。そんな印象が強い。
もちろん、だからといって諦めのようなものがあるわけではない。向上心は持ち続けているし、それはユナイテッド戦後の言葉からも明らかだ。
「やはりこういったピリピリした空気の中でプレーできるのは幸せ。ただ、このピッチに立つだけで満足するのではなく、さらに上を目指してやっていかないと先はないと思うし、現状に満足しているわけでもない。監督に信頼してもらえるような選手にならないといけない」
残念ながら、この3連戦は3連敗。自分にミスがなくても、勝利という結果につなげなければならない。吉田はそう感じていた。チームが勝たなければ、ピッチに立ち続けることはできないと、そう認識している。
だからこそ、「結果が欲しい。この1週間、2週間が勝負」と切羽詰った表情で繰り返してきたのだ。しかし結果は得られず、怪我から復帰したトビー・アルデルワイレルドにスタメンの座をふたたび譲り渡すことになった。16節のバーンリー戦、吉田はベンチから戦況を見守るしかなかった。
間もなく吉田はチームを離れ、日本代表としてアジアカップに臨む。およそ1か月間の離脱。サウサンプトンでの今後を考えれば、後ろ髪を引かれる思いだろう。
「アジアカップ前に、監督に信頼してもらえるパフォーマンスを見せないといけない。また冬に新しいCBを獲られたらたまらない」
本人はそう漏らす。
冬の移籍市場での補強について、ロナルド・クーマン監督は次のようにコメントしている。
「1月に吉田がアジアカップでいなくなることも考慮に入れなくてはならない。市場が開いた時点で判断する」
クーマンは吉田を戦力として計算している一方で、CBの補強を検討している。
だからこそ、吉田には葛藤があるのだ。ここでチームを離れていいのだろうか。サウサンプトンでのキャリアを考えれば、残るべきではないのだろうか、と――。ジレンマを抱えたまま、吉田はアジアカップに向かう。
文:松澤浩三
吉田は久しぶりの出場試合を振り返り、自虐的に笑ったが、たしかに1年前とは異なり、肩肘張らずにリラックスしてプレーができている。自分の置かれた立場を理解しながらも、気持ちに余裕がある。そんな印象が強い。
もちろん、だからといって諦めのようなものがあるわけではない。向上心は持ち続けているし、それはユナイテッド戦後の言葉からも明らかだ。
「やはりこういったピリピリした空気の中でプレーできるのは幸せ。ただ、このピッチに立つだけで満足するのではなく、さらに上を目指してやっていかないと先はないと思うし、現状に満足しているわけでもない。監督に信頼してもらえるような選手にならないといけない」
残念ながら、この3連戦は3連敗。自分にミスがなくても、勝利という結果につなげなければならない。吉田はそう感じていた。チームが勝たなければ、ピッチに立ち続けることはできないと、そう認識している。
だからこそ、「結果が欲しい。この1週間、2週間が勝負」と切羽詰った表情で繰り返してきたのだ。しかし結果は得られず、怪我から復帰したトビー・アルデルワイレルドにスタメンの座をふたたび譲り渡すことになった。16節のバーンリー戦、吉田はベンチから戦況を見守るしかなかった。
間もなく吉田はチームを離れ、日本代表としてアジアカップに臨む。およそ1か月間の離脱。サウサンプトンでの今後を考えれば、後ろ髪を引かれる思いだろう。
「アジアカップ前に、監督に信頼してもらえるパフォーマンスを見せないといけない。また冬に新しいCBを獲られたらたまらない」
本人はそう漏らす。
冬の移籍市場での補強について、ロナルド・クーマン監督は次のようにコメントしている。
「1月に吉田がアジアカップでいなくなることも考慮に入れなくてはならない。市場が開いた時点で判断する」
クーマンは吉田を戦力として計算している一方で、CBの補強を検討している。
だからこそ、吉田には葛藤があるのだ。ここでチームを離れていいのだろうか。サウサンプトンでのキャリアを考えれば、残るべきではないのだろうか、と――。ジレンマを抱えたまま、吉田はアジアカップに向かう。
文:松澤浩三