アメリカはスピードで勝負する“若月対策”を敢行
特に日本を手詰まりにさせたのが、若月の“足”を生かして相手の背後を突けなかったことだ。
アメリカはスピードで勝負する“若月対策”を敢行。最終ラインが完璧にケアし、行く手を阻んだ。実際に若月は何度も裏を狙ったが、出し手側が手詰まりになったという。
「自分は警戒されても背後を狙っていた。相手のサイドバック(SB)が高い位置を取っているシーンもあったから、自分は裏のスペースを狙いたいと思っていた。ただ、試合後にディフェンダーの選手たちと話したけど、やっぱり蹴りにくさがあった。センターバック(CB)とSBが裏に出すタイミングでかなりラインを下げたとしても、背後を狙って何本か試したんです。でも、相手がケアしている以上は背後には蹴りにくいと言われました」(若月)。
前で時間を作れる西川が57分からピッチに入ると、裏以外の選択肢から攻撃の流れを作れるようになった。だが、警戒されれば、そう簡単に仕事はさせてくれない。当然、次のセネガルやノックアウトステージで対戦する相手は対策を講じてくるはずで、そうした状況の対処法は今後の課題となった。
アメリカはスピードで勝負する“若月対策”を敢行。最終ラインが完璧にケアし、行く手を阻んだ。実際に若月は何度も裏を狙ったが、出し手側が手詰まりになったという。
「自分は警戒されても背後を狙っていた。相手のサイドバック(SB)が高い位置を取っているシーンもあったから、自分は裏のスペースを狙いたいと思っていた。ただ、試合後にディフェンダーの選手たちと話したけど、やっぱり蹴りにくさがあった。センターバック(CB)とSBが裏に出すタイミングでかなりラインを下げたとしても、背後を狙って何本か試したんです。でも、相手がケアしている以上は背後には蹴りにくいと言われました」(若月)。
前で時間を作れる西川が57分からピッチに入ると、裏以外の選択肢から攻撃の流れを作れるようになった。だが、警戒されれば、そう簡単に仕事はさせてくれない。当然、次のセネガルやノックアウトステージで対戦する相手は対策を講じてくるはずで、そうした状況の対処法は今後の課題となった。
ただ、相手に武器を封じられたとはいえ、勝点1を掴んだ点は評価に値する。とりわけ、守備陣は身体を張り、アメリカの攻撃を跳ね返し続けた。後半の開始早々にオフサイドで失点が取り消された場面もあったが、我慢しながら“0”で終えたのは今後につながるはずだ。
「上手くいかないのは当たり前。オランダ戦の結果で周りから『すごい』と言われていたけど、ワールドカップはそんなに簡単じゃない」
森山監督が言った通り、今戦っているのは世界一を決める大会だ。オランダ戦で素晴らしい結果を残しても、2戦目以降も同じようにはいかない。しかも、選手は17歳以下の高校生たちで経験は浅い。もちろん浮かれていたわけではないが、ひとつの結果で自分を見失う場合もある。
「かなり選手に言いましたけど、やっぱり勘違いしますよ」とは森山監督の言葉。アメリカ戦で苦い経験をしたが、勝点を取って学べたのであれば、授業料としては安い。実際に勝点4となり、最終戦は引き分け以上でグループステージ突破が決まるし、3位でも上位4チームに与えられる枠に滑り込める可能性が見えてきた。状況は悪くない。この経験値をセネガル戦で生かせれば、アメリカ戦のドローが勝利以上の価値になるはずだ。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)