「来年J1でやるので、通用して当たり前という気持ちでやっていた」

来季FC東京入団内定の紺野が、持ち前のステップワークを活かしたドリブルで相手を翻弄した。写真:徳原隆元

甲府戦に臨んだ法政大のスターティングメンバー。普段の強度の高いトレーニングが快進撃につながった。写真:徳原隆元
一方、法政の長山一也監督と選手たちが試合後に抱いた感情は何もできなかった悔しさでなく、「勝てる試合を落とした悔しさ」だった。
FC東京入りが内定している紺野和也はこう振り返る。
「個人的に天皇杯は一番懸けている大会だったので、サッカーを今までやってきて一番悔しいくらいの感じです。内容はすごく良かったので、やれた中での悔しさですね。後半はずっと攻めていましたけど、最後の質という面でプロとの違いが出てしまった」
左利きの紺野は右サイドに配置され、攻撃の中核を担った。彼がカットインから見せる得点への絡みは甲府が一番警戒していたポイント。しかし紺野は相手の警戒を上回り、77分の同点ゴールもアシストしている。
紺野に満足した様子はない。
「(甲府のDFが)2枚来ても、全然はがせた。来年J1でやるので、通用して当たり前という気持ちでやっていた」
法政は3年生で日本代表のFW上田綺世が夏に中途退部して鹿島アントラーズに移った。ただし天皇杯のJ撃破は、彼がいない中で成し遂げた快挙だ。
現部員で内定が発表されているのは紺野だけだが、4年生からJクラブに進む選手が他に数名は出る見込み。上田、紺野が極端に突出しているわけではない。
長山監督はこう述べていた。
「月曜から金曜は社業をして、土日で母校のためにスカウトをしてくれている人がいる。というところで、いい選手が来てくれる」
もちろんどの大学もOBなどの力でスカウト活動は行っているが、法政は強化・スカウト担当の野木健司氏が「いい仕事」をしている。明治大、筑波大とともに全国の大学ではトップの人材を集めているチームだ。
日頃のトレーニングについて、指揮官はこう説明する。
「球際のところは天皇杯を通してしっかりと出せた。相手が『ファウルだろ』というくらいの強度で日頃からさせているからこそ、こういう場所でやれた部分はある。考えながら、(ボールを)大事にしながら、駆け引きをしながらというところも、見て頂けたら分かると思います。そこも日常のトレーニングが出た部分です」
FC東京入りが内定している紺野和也はこう振り返る。
「個人的に天皇杯は一番懸けている大会だったので、サッカーを今までやってきて一番悔しいくらいの感じです。内容はすごく良かったので、やれた中での悔しさですね。後半はずっと攻めていましたけど、最後の質という面でプロとの違いが出てしまった」
左利きの紺野は右サイドに配置され、攻撃の中核を担った。彼がカットインから見せる得点への絡みは甲府が一番警戒していたポイント。しかし紺野は相手の警戒を上回り、77分の同点ゴールもアシストしている。
紺野に満足した様子はない。
「(甲府のDFが)2枚来ても、全然はがせた。来年J1でやるので、通用して当たり前という気持ちでやっていた」
法政は3年生で日本代表のFW上田綺世が夏に中途退部して鹿島アントラーズに移った。ただし天皇杯のJ撃破は、彼がいない中で成し遂げた快挙だ。
現部員で内定が発表されているのは紺野だけだが、4年生からJクラブに進む選手が他に数名は出る見込み。上田、紺野が極端に突出しているわけではない。
長山監督はこう述べていた。
「月曜から金曜は社業をして、土日で母校のためにスカウトをしてくれている人がいる。というところで、いい選手が来てくれる」
もちろんどの大学もOBなどの力でスカウト活動は行っているが、法政は強化・スカウト担当の野木健司氏が「いい仕事」をしている。明治大、筑波大とともに全国の大学ではトップの人材を集めているチームだ。
日頃のトレーニングについて、指揮官はこう説明する。
「球際のところは天皇杯を通してしっかりと出せた。相手が『ファウルだろ』というくらいの強度で日頃からさせているからこそ、こういう場所でやれた部分はある。考えながら、(ボールを)大事にしながら、駆け引きをしながらというところも、見て頂けたら分かると思います。そこも日常のトレーニングが出た部分です」
一方で長山監督はこうも述べていた。
「会場の雰囲気は大学サッカーで作り上げられたもの。ふわっとなっちゃう、コミュニケーションを取れなかったりするところがあった」
NHK-BSの全国中継がある大一番で、隙を作らずプレーできる――。そういう心の持ちようは、プロで何百試合も経験しているベテランに敵わない部分かもしれない。しかしラウンド16で、これだけの内容を見せたことがまず素晴らしい。法政の戦いは彼らのよき日常に裏打ちされたものだった。
取材・文●大島和人(球技ライター)
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