14位まで低迷した序盤戦から、“ACL枠”目前へ。C大阪はどうして生き返ったのか?

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2019年09月14日

開幕当初に困惑を吐露していた清武も

ロティーナ監督は着実に戦術をチームに落とし込む。浦和戦後には満足感を口にした。(C)SOCCER DIGEST

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 ただし、ここまでの道のりは順風満帆だったわけではない。特に序盤戦は、選手が今季就任したロティーナ監督の戦術に困惑して、なかなか白星を積めなかった。8節の清水エスパルス戦を終えた時点で勝点わずか7の14位に沈んでいた。

 深刻だったのは得点力の欠如。調子が上向く10節の松本戦の前までは9試合でわずか5ゴールと低調だった。自分のポジショニングを意識し過ぎるあまり、仕掛けるタイミングをチームで共有できていなかった。

 清武は開幕当初、困惑を吐露していたのを覚えている。

「練習でやってきたことを出せているかといえば、ほぼほぼ出せていない。ポジショニングとかはみんなが意識しながらやっているとは思うけど、もうちょっと時間はかかるかなと」

 ところが、10節の松本戦でリーグ5試合ぶりに会心の勝利を挙げると、一気に上昇気流に乗る。

 ボランチの藤田直之がフィットしたり、奥埜のFWへのコンバートがハマったりと好材料はいくつか挙げられるが、そうした選手起用を含めて、3-4-2-1から4-4-2へのシステムチェンジが、大きなポイントだった。全体の動きが整理されて、位置取りに戸惑う姿は明らかに減り、その分カバーリングなど、味方を助ける動きも増えた。

「スタートの時よりチーム状況は明らかに良い。監督のやりたいことを徐々に理解できてきて、選手間で意思統一が取れるようになった。日々の積み重ねは大きいですね」

 開幕当初に苦しんでいた清武も、負傷する前の8月中旬に話を聞いた時には、そんな手応えを語るようになっていた。

 成長を実感しているのは指揮官も同様だ。「全体的に満足しています。それは勝利という結果だけではなく、プレー内容も含めてです。強敵との試合が続いていますが、自分たちが歩んでいる道には満足しています」。浦和戦後の会見でそう話している。

 ここまでの復活劇は決して偶然ではない。日々磨き上げてきた戦術の上積みがある。だからこそ、そう簡単には調子は崩れないだろう。次節は、ガンバ大阪とのダービーマッチ。この大一番を制し、さらに弾みをつけたいところだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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