日本がレベル差のあるチームと戦っている一方で、欧州、南米は熾烈な争いを繰り広げている
もともとアジアは世界規模で劣勢を強いられているのに、広大で格差が大きい。その上、ワールドカップ本大会の出場枠が広がった影響もあり、予選の質は極端に低下している。森保監督が現役で戦った1994年米国大会へ向けての1次予選には、前回本大会に出場したUAEやタイなど、本当に気の抜けない相手も含まれ、アジアの総枠も「3」だった。アジアより格差が小さく質の高い欧州が既に防衛策を講じ、ネーションズリーグを創設して拮抗した強化試合を担保しているし、南米予選も見方によっては本大会以上に息の抜けない熾烈な戦いになる。
ところが追いかける立場の日本が、キルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴルと計8試合ものAマッチをダラダラとこなしているのでは、その差が縮まる理由は見当たらない。ましてコンフェデレーションズカップが消滅するなど、日本は一層逆風を受けている。本大会でベスト8の壁を超えるには、相応の環境を整える創意工夫が不可欠で、おそらくコペルニクス的な逆転の発想が必要だ。
ところが追いかける立場の日本が、キルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴルと計8試合ものAマッチをダラダラとこなしているのでは、その差が縮まる理由は見当たらない。ましてコンフェデレーションズカップが消滅するなど、日本は一層逆風を受けている。本大会でベスト8の壁を超えるには、相応の環境を整える創意工夫が不可欠で、おそらくコペルニクス的な逆転の発想が必要だ。
アジア予選が楽になるほど、本大会は厳しくなる。さらに欧州組は、中味が緩くてリスクは高いアジア予選に出かけて行く度に、コンディション調整や所属チームでの立場が厳しくなる。一方で2次予選は突破だけがノルマで、それは国内選抜や五輪チームでも十分に可能だ。ベストメンバーの個の充実や進化を望むなら、2次予選は欧州組を招集せずに、国内組に任せた方がいい。一方でベストを集めるなら相応の強化試合が要る。あまりに緩い試合は逆効果にもなりかねない。アジアでA代表の国内組が2次予選を戦う同日に、欧州で日本選抜の“練習試合”を組み込むなど、抜け道を探るアイデアや努力を追求していくべきだ。日本が“普通”にやっていたのでは、世界の頂きは見えて来ない。
文●加部究(スポーツライター)
文●加部究(スポーツライター)