• トップ
  • ニュース一覧
  • 【コラム】アジア2次予選に欧州組は必要か?ベストメンバーでの戦いはリスクが高い一方で…

【コラム】アジア2次予選に欧州組は必要か?ベストメンバーでの戦いはリスクが高い一方で…

カテゴリ:日本代表

加部 究

2019年09月11日

過去には小野伸二もアジアの舞台で悪質タックルの犠牲に

ミャンマー戦のスターティングメンバー。10人の欧州組が名を連ねた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 森保一監督は、ワールドカップ2次予選の開幕を前に「楽な試合はひとつもない」と力説したという。

 なるほど指揮官としては当然の姿勢だ。円いボールを足で扱うサッカーの世界では、どんなどんでん返しが待っているか判らない。例えば、1996年アトランタ五輪で最強メンバーと評判だったブラジルが、日本にシュートの嵐を浴びせながらも敗れたのは、明らかにスカウティング不足と油断があったからだ。

 だが現実に2次予選には、掛け値なしに厳しい試合はひとつもない。またミャンマー戦を見ても、改めてリスクが高い。特に38分、ヘディングシュートをした吉田麻也の無防備な腹部にミャンマーのカウン・シトゥが正面から膝蹴りを入れたのは、常識的なサッカーの試合では考えられない蛮行で、吉田が無傷だったのが不幸中の幸いだった。VARがあれば、一発退場で重めの出場停止処分も課せられたはずだ。他にも背を向けてブロックすれば、後ろから足ごと削りに行く頻度が高く、それでもおそらく彼らに悪意はない。
 
 思い出すのはJリーグ草創期の喧噪である。閑古鳥が鳴いていたスタジアムは、唐突に満員の熱狂に包まれ、選手たちの闘争心に点火。延長戦にVゴールやPK戦などのおまけもついた過密スケジュールも影響して、故障者が続出した。たぶんミャンマーの選手たちも、滅多に遭遇しない日本のスター選手たちを必死に止めようと頑張っただけだ。きっとこれから手痛い罰則を食うなどの経験を重ね、徐々に国際試合での常識を覚えていくはずである。

 だが反面、日本がその伝道のためにベストメンバーをリスクに晒すのは考えものだ。既に日本は痛恨の失敗をしている。1999年7月、シドニー五輪予選のフィリピン戦に出場した小野伸二が、悪質な後方タックルの犠牲になり、左膝十字靭帯を断裂。日本の宝の可能性は、本当に狭められてしまった。

 慎重居士の指揮官だけに、監督としては未体験の2次予選初戦にベストメンバーで臨むのは仕方がない部分もある。しかしこのまま定められたレギュレーションに粛々と従い、与えられた試合に全力を尽くした先に、日本が目指す世界一の戴冠などない。
【関連記事】
【セルジオ越後】格下ミャンマー相手に2点だけ…日本のシュートってなんで入らないの?
金田喜稔がミャンマー戦を斬る!「評価したいのが13番。レギュラー争いを一歩リードしたね。物足りなかったのは…」
【ミャンマー戦|動画&記事一覧】解説:セルジオ越後、金田喜稔、採点&寸評、プレー分析、各国メディアの評価、PHOTOギャラリーetc.
「まさにプロフェッショナル!」海外メディアの名物記者はミャンマー戦の日本代表をどう見た?
「ザルツブルクでのゴールでは飽き足らないようだ」オーストリア・メディアが、日本代表でみせた南野拓実の連続ゴールに感嘆!!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ