【昇格プレーオフドキュメント】大分を牽引した「滝川二高ライン」――回想2012年

カテゴリ:Jリーグ

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年11月29日

先輩・林のひと言で肩の力が抜け――。

後輩・森島(右)のパスから先輩・林(左)が決勝ゴール――。「滝川二高ライン」で勝ち取った昇格だった。 (C) SOCCER DIGEST

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 いろいろな思惑が絡み合い、同じチームでプレーすることになった。そして3人が揃ってから、森島に覚醒の予感が漂い始めたのだ。
 
 大先輩・林の加入は、エースにとって大きな刺激になった。「自分の想いを受け止めてくれる存在なんですよ」と森島は打ち明ける。13試合も得点が取れなかった時期、「ひとりでなんとかしようと思わなくていいんじゃないか」という林のひと言で肩の力が抜け、周囲との連係をより高めていくキッカケになった。
 
 3人はJ1昇格を決めた瞬間、ともに抱き合い歓喜した。互いに今は「滝二だから」とは意識していないが、尊重し認め合う間柄である。気心の知れた仲間同士。それはピッチの中でも外でも変わらない。
 
 木島は森島について、「シュート意識、ボールを奪いに行くアグレッシブさは凄い、見習いたい」と感嘆する。かたや森島も木島の存在を頼もしく思っている。「あの人は常に僕との距離感を気にしてくれる。どんなプレーをするのか分かるし、向こうも分かっていると思うからなにも言う必要がない」と語る。
 
 練習の後に木島と森島が並んでクールダウンする姿は、すっかり見慣れた光景だ。
 
「あの時のパスはどうやった」
「めっちゃええやん」
 並走しながら、そんな無言の会話をしているようでもあった。
 
 いまや「滝二ブランド」は大分にとって欠かせないものとなっている。過去に吉田孝行(神戸)、三木隆司(徳島)がキャプテンとしてチームを引っ張り、金崎夢生(名古屋)はクラブに初タイトルをもたらした。
 
 大分で邂逅した滝川二高の元エーストリオ。今度はJ1の舞台で、目には見えない力を発揮し、ゴールを奪ってくれるはずだ。
 
取材・文:柚野真也(スポーツライター)
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