育成で大事なのは基本的なプレーメカニズム(構造)の理解
まず、この2つのクラブに共通するのは「自分たちが主導権を握ったサッカーにチャレンジする」ということだ。両チームの監督に「育成で大切にしていることは?」と質問すると、バイエルンのラファエル監督は「トップチームと同じようにポゼッションを高め、プレスを行なって試合を支配すること」と語り、バルサのアルカイデ監督は「この世代ではすべての選手にプレー機会を与えた上で、バルサスタイルにコミットメントすることを求める」と答えた。
大会3日目の単独インタビュー中、バイエルンのラファエル監督はジョゼップ・グアルディオラの名前を挙げ、彼に言われたことで自身が大切にしていることを教えてくれた。
「コーチの役割はオフェンスゾーンに何度も侵入するために、いかにディフェンスゾーンとミドルゾーンにおいてうまくボールを運べるかということについて、選手たちをサポートすること。最後の攻撃を仕掛ける部分では、いかに選手に自由を与えて好きなようにやらせるか。このペップの言葉は、私に大きな気づきをくれた」
そして、バルサのアルカイデ監督は、この世代の選手たちから引き出したいものを具体的に説明してくれた。それはまさにバルサスタイルそのものだった。
「例えば、センターバックなら相手からのプレスがなければどんどん前進して、フリーの選手にボールを渡す。ミッドフィルダーならセンターバックのサポートと、ボールを簡単に扱いながらどんどんゴールに向かってスペースを模索していくこと。ウイングならいつも深さと広さを使うこと。そういう常に主導権を握るバルサのDNAを、私は選手たちにはプレーで表現してほしいと思っている。フォワードなら深さを作り出すこと。もしチームがうまく機能していない時には、ミッドフィルダーを助けながらフリースペースを引き出すこと。個人から何かを引き出したいというよりは、ポジションによって求めているものがあるということ」
ふたりが発した内容は表現こそ違うが、ジュニア世代のサッカー選手に求めているものとして、大枠では同じことだ。なぜ同じなのか。それはサッカーというスポーツで絶対に変わらない要素が<歴史の中で自然に、しかし必然をもって>生み出した、基本的なプレーメカニズム(プレー構造)があるからだ。
大会3日目の単独インタビュー中、バイエルンのラファエル監督はジョゼップ・グアルディオラの名前を挙げ、彼に言われたことで自身が大切にしていることを教えてくれた。
「コーチの役割はオフェンスゾーンに何度も侵入するために、いかにディフェンスゾーンとミドルゾーンにおいてうまくボールを運べるかということについて、選手たちをサポートすること。最後の攻撃を仕掛ける部分では、いかに選手に自由を与えて好きなようにやらせるか。このペップの言葉は、私に大きな気づきをくれた」
そして、バルサのアルカイデ監督は、この世代の選手たちから引き出したいものを具体的に説明してくれた。それはまさにバルサスタイルそのものだった。
「例えば、センターバックなら相手からのプレスがなければどんどん前進して、フリーの選手にボールを渡す。ミッドフィルダーならセンターバックのサポートと、ボールを簡単に扱いながらどんどんゴールに向かってスペースを模索していくこと。ウイングならいつも深さと広さを使うこと。そういう常に主導権を握るバルサのDNAを、私は選手たちにはプレーで表現してほしいと思っている。フォワードなら深さを作り出すこと。もしチームがうまく機能していない時には、ミッドフィルダーを助けながらフリースペースを引き出すこと。個人から何かを引き出したいというよりは、ポジションによって求めているものがあるということ」
ふたりが発した内容は表現こそ違うが、ジュニア世代のサッカー選手に求めているものとして、大枠では同じことだ。なぜ同じなのか。それはサッカーというスポーツで絶対に変わらない要素が<歴史の中で自然に、しかし必然をもって>生み出した、基本的なプレーメカニズム(プレー構造)があるからだ。
「ジュニア世代では、そういうことを理解してプレーすることが大事」だと、それぞれの監督はいう。そして、そのサッカーで絶対に変わらない要素とは、枠が決まったピッチ上に向かい合ったふたつのゴールがあること、11対11で戦うこと、基本ボールを足で扱うことだ。
ふたつのゴールが向かい合うピッチではディフェンスゾーン、ミドルゾーン、オフェンスゾーンが存在する。だから、選手たちは目指すべきゴール、守るべきゴールを意識してプレーするのだ。もし、それを意識しなければどうなるのか。それはチーム内の統率が取れずに秩序が乱れ、得点にはつながらないし、失点の可能性が高まる。だからこそサッカーは11人それぞれにポジションと基本的な役割が定まっていったのだ。
バルサのアルカイデ監督は、育成において大切なものをポジションで例えてくれた。また、バイエルンのラファエル監督は「この世代の試合ではゾーンごとにどういうプレーをすべきかを理解させることが大事」だと自身の経験をもとに話してくれた。いずれも共通するのは、「ジュニア年代では基本的なサッカーのプレーメカニズム(プレー構造)の理解を深めることを大切にしている」ということ。彼らはそれをベースに日々チームとして、個人としてサッカーのプレーに必要なものを研鑽している。
取材・文●木之下潤(フリーライター)
ふたつのゴールが向かい合うピッチではディフェンスゾーン、ミドルゾーン、オフェンスゾーンが存在する。だから、選手たちは目指すべきゴール、守るべきゴールを意識してプレーするのだ。もし、それを意識しなければどうなるのか。それはチーム内の統率が取れずに秩序が乱れ、得点にはつながらないし、失点の可能性が高まる。だからこそサッカーは11人それぞれにポジションと基本的な役割が定まっていったのだ。
バルサのアルカイデ監督は、育成において大切なものをポジションで例えてくれた。また、バイエルンのラファエル監督は「この世代の試合ではゾーンごとにどういうプレーをすべきかを理解させることが大事」だと自身の経験をもとに話してくれた。いずれも共通するのは、「ジュニア年代では基本的なサッカーのプレーメカニズム(プレー構造)の理解を深めることを大切にしている」ということ。彼らはそれをベースに日々チームとして、個人としてサッカーのプレーに必要なものを研鑽している。
取材・文●木之下潤(フリーライター)