天才少年は各年代の代表チームに名を連ねた末に、2004年2月18日の親善試合クロアチア戦でA代表デビューを飾った。
ルディ・フェラー監督からの評価は非常に高く、夏のEURO2004では最終メンバー入りしただけでなく、早くもレギュラーとして3試合にフル出場。チームは2大会連続のグループリーグ敗退という無残な結果に終わったが、そのなかで20歳のラームは戦前の期待を裏切らないプレーで唯一評価を上げ、ドイツの新たな希望として捉えられた。
その2年後、彼はすでに確固たる地位を代表でも築いていたが、自国開催のワールドカップは、左腕骨折未完治という悪コンディションの下で迎えることを強いられた。しかし、左SBとしてコスタリカとの開幕戦に出場し、いきなり大きな仕事を果たす。
緊張感漂う一戦、ラームは開始6分にサイドを駆け上がると、ドリブルで中央に切れ込み、ペナルティーエリア角から躊躇なく右足を強振。ゴール右隅に突き刺さる豪快な一撃は、開催国を勢いに乗せ、グループリーグ全勝突破の原動力となった。
ドイツは残念ながら、準決勝でイタリアに敗れて悲願の世界一は成らなかったが、大会前の不安や悲観的な予想を考えれば、3位は上出来とも言える結果だった。そして全7試合でフル出場したラームは、この大会でもまた多くの識者から絶賛され、「影のMVP」ともいわれたほどである。
「大会最大の収穫」と“賢人”ギュンター・ネッツァーが語れば、当時FIFAの技術委員長だったミシェル・プラティニは「最も心を惹きつけられたのはラームのプレーだ。着実に成長を遂げている」と褒め称えた。
EURO2008は、ラームにとって初めてメジャーイベントでの決勝を経験した大会だったが、スペインに敗れての準優勝という結果とともに、自身がフェルナンド・トーレスに裏をとられて決勝点を奪われたことで、苦い思いが記憶に刻まれた。とはいえ、準決勝トルコ戦で劇的な決勝点を挙げて殊勲者になるなど、大会を通しての貢献度は非常に高かった。
自身2度目のW杯となった10年南アフリカ大会では、欧州予選、本大会ともに全試合に出場。3位決定戦まで進んだ本大会では、フル出場を果たした。右SBとして初戦からアクセル全開のプレーを見せ、美しいクロスで多くのチャンスを演出。また、大会前に離脱したミヒャエル・バラックに代わってキャプテンを務め、若いチームを牽引した。
プレーの上でも、精神的支柱としても、チームに不可欠な存在となったラーム。やはり全5試合に出場したEURO2012では、守備で相手の名だたるサイドアタッカーを封じ、攻撃では準々決勝ギリシャ戦でカットインからの鋭いミドルでゴールラッシュの口火を切るなど、多岐にわたる活躍で改めて実力の程を世界に知らしめた。
その一方で、準決勝イタリア戦ではマリオ・バロテッリに裏へ抜け出されてゴールに結びつけられ、また自身は得点機を逸したことで、少なからず悔いも残すことに……。メジャーイベント5度目の挑戦でもタイトルに手が届かなかったラーム。しかし、悲願はその2年後にようやく叶うこととなる。
14年、それまで欧州勢が一度も制したことがない南米でのW杯で、ドイツは快進撃を展開。準決勝では開催国ブラジルを7-1の大差で、決勝ではアルゼンチンを延長戦の末に下して、90年イタリア大会以来の戴冠を果たした。アンカー、SBとして全7試合フル出場を果たした主将ラームは、黄金のトロフィーを受け取るという名誉ある役割を担った。
クラブ、代表の両方で世界の頂点に立つという偉業を達成し、大会後にラームは代表のユニホームを脱ぐ。歴代5位となるキャップ数113を記録し、後に史上8人目となる代表名誉キャプテンにも選出された。
現役引退は06-07シーズン終了後。自身8度のリーガ優勝を果たし、キャプテンとしては5度、マイスターシャーレを授与された。これはクラブで最多タイの記録だが、他にもCL出場試合数(バイエルンでは105、シュツットガルト時代を合わせると112)などの単独記録も多く樹立している。
前述の通り、クラブ歴代2位のタイトル獲得数を誇るなど、まさに輝かしい実績を築いたラームだが、ブンデスリーガで一度も出場停止処分を受けなかったこと、さらに退場にいたってはリーガ、CLともにゼロという事実は、彼のプレーのフェアさ、クリーンさを表わすものであり、最大の誇りであると言ってもいいだろう。
引退後は、バイエルンが用意したフロント(スポーツディレクター)の椅子を固辞し、ドイツ・サッカー連盟の大使として精力的に活動。EURO2024の招致に尽力するなど、ピッチ上とは違ったかたちで、今も自国サッカー界への貢献を続けている。
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