なぜブラジルや欧州の指導者ではなく、日本人指導者なのか?
――タイのサッカーに合うという部分をもう少し詳しく聞かせてください。
「(スマートフォンを取り出し、試合中のチョンブリFC内部分析データを見せながら)これ見て。最近チョンブリが勝てない理由が分かるから。日本のサッカーは落ち着いてビルドアップ出来て、パッと機転を利かせたチェンジからリズムを作れる。チョンブリにはそれがないんです。それはタイ代表でも一緒。だからそれを教えられる日本人監督が欲しい。でもお金(サラリー)が滅茶苦茶高いよね」
――となると、タイ代表のみならず、チョンブリFCでも日本人監督を考えていると。
「(力強く即答で)考えていますよ! 外国人(前記のブラジル人や欧州人指導者を指すと思われる)は言うだけ、でも日本人は違う。彼らが教えるサッカーをやったら、絶対に強くなりますよ! サッカーは細かなところが凄く大事だから」
――今では日本やベルギーでプレーして経験を積むタイ人選手も増えてきましたね。
「まだまだ。サッカーは11人の中でやるもの。3人、4人では足りない」
――なるほど。では率直に聞きます。西野新監督就任の可能性はどんなものなのでしょうか?
「あぁ~(かなり間合いが空いた後)あのね、タイ代表はね、まだレベルが低い。もしレベルが高くて、経験がある選手が多く居るなら、代表でもパッと集まって2日間でチームが出来る。日本代表みたいに。でも今のタイはちゃうやん」
――分かりました。試合中にもかかわらず感謝します。
「はいはい、ありがとう、ありがとう」
本丸の“西野氏監督就任の可能性”についてははぐらかされたものの、ヴィタヤ氏が願って止まない日本人監督招聘への熱き思いは強烈に感じ取ることができた。
良い話が出来て、彼らが強い手応えを掴んだことは間違いないのだろう。しかしその事実が誇らしく居ても立ってもいられず、彼らはFAT公式ページで“自慢”したかったのかもしれない。大なり小なり、こういったことはタイでは日常的にあること、また日本人には理解され難いことでもあるのだが。
「自分が大好き、自分の功績を皆に見てほしい」。そういったタイ人気質が“悪影響”を及ぼしてしまった事例であり、決して彼らに、既成事実によって外堀から埋めていく交渉術を施すような知恵が働いたものではないと個人的には理解している。
「(スマートフォンを取り出し、試合中のチョンブリFC内部分析データを見せながら)これ見て。最近チョンブリが勝てない理由が分かるから。日本のサッカーは落ち着いてビルドアップ出来て、パッと機転を利かせたチェンジからリズムを作れる。チョンブリにはそれがないんです。それはタイ代表でも一緒。だからそれを教えられる日本人監督が欲しい。でもお金(サラリー)が滅茶苦茶高いよね」
――となると、タイ代表のみならず、チョンブリFCでも日本人監督を考えていると。
「(力強く即答で)考えていますよ! 外国人(前記のブラジル人や欧州人指導者を指すと思われる)は言うだけ、でも日本人は違う。彼らが教えるサッカーをやったら、絶対に強くなりますよ! サッカーは細かなところが凄く大事だから」
――今では日本やベルギーでプレーして経験を積むタイ人選手も増えてきましたね。
「まだまだ。サッカーは11人の中でやるもの。3人、4人では足りない」
――なるほど。では率直に聞きます。西野新監督就任の可能性はどんなものなのでしょうか?
「あぁ~(かなり間合いが空いた後)あのね、タイ代表はね、まだレベルが低い。もしレベルが高くて、経験がある選手が多く居るなら、代表でもパッと集まって2日間でチームが出来る。日本代表みたいに。でも今のタイはちゃうやん」
――分かりました。試合中にもかかわらず感謝します。
「はいはい、ありがとう、ありがとう」
本丸の“西野氏監督就任の可能性”についてははぐらかされたものの、ヴィタヤ氏が願って止まない日本人監督招聘への熱き思いは強烈に感じ取ることができた。
良い話が出来て、彼らが強い手応えを掴んだことは間違いないのだろう。しかしその事実が誇らしく居ても立ってもいられず、彼らはFAT公式ページで“自慢”したかったのかもしれない。大なり小なり、こういったことはタイでは日常的にあること、また日本人には理解され難いことでもあるのだが。
「自分が大好き、自分の功績を皆に見てほしい」。そういったタイ人気質が“悪影響”を及ぼしてしまった事例であり、決して彼らに、既成事実によって外堀から埋めていく交渉術を施すような知恵が働いたものではないと個人的には理解している。
この原稿を書いていると、再びFAT公式ページに“西野朗氏がタイ代表新監督就任へ。U-23代表も掛け持ち”というニュースが発信された。
西野氏が7月19日に契約書に署名すること、またそのタイミングで西野氏の会見を日本で開くことも併せて書かれている。もはや正式契約は目前に迫っている状態なのだが、彼らの落ち着きのなさを思うと、なぜだか妙に可愛く思え笑えてきた。
取材・文●佐々木裕介(フリーライター)